「ウイルスは生きてるの?」 生物? ただの物体?~ 入門篇

virus introduction

「ウイルス」「生きてる?」「ただの物体?」「動けない」「入門」

ウイルスは生きもの?

ここではおもにインフルエンザ・ウイルスについて書いています。

ひげおじさん
さっちゃん。生き物とただの物体の違いってなんだろう?
たとえば、人間と消しゴムのちがいを考えてみて!
さっちゃん
えっとね。人間は息をするでしょ。それから、ご飯を食べる。それから、子どもを産んで増えていく。それから、いつか死ぬ!
ひげおじさん
そうだね。消しゴムは息をしないし、餌を食べないし、増えもしないし、その代わり死ぬこともない!
さっちゃん
そうだ!あと、人間は自分で動けるけど、消しゴムは自分で動けない!
ひげおじさん
それもとても大事な違いだよ!

生き物の定義

  1. 自己保存
  2. 種の保存
  3. 自分で動く

自己保存 (自分を維持する)

呼吸 (息をする)

酸素呼吸と酵母みたいに無酸素呼吸 (嫌気呼吸) をするものもあるけど、多くの生き物は酸素を取り入れて体の中で化学反応を起こしてエネルギーに変えています。
カンタンにいうと、薪を燃やして暖を取っているんです。

酵母も酸素があるときは酸素呼吸をします。

植物は光合成をして酸素を作り出すけど、じつは同時に酸素呼吸もしています。

食べる

酸素と化学反応をさせるための「燃料」。
そして、自分の体を維持するために体の「材料、原料」を取り入れなければなりません。

種の保存 (増える)

自分のコピー (複製) を作ります。

細胞レベルでは細胞分裂をして自分とおなじ細胞をどんどん作っていきます。

寿命

でも、それだけでは同じ細胞が分裂しているだけなので、みんな歳を取っていって寿命が来たら、せーので全滅してしまいます。

時限装置 (タイマー)

遺伝子の端に「テロメア」という部分があって、分裂のたびに短くなっていくのです。
その限界が寿命です。
厳密にいうと、テロメアが短くなったら死ぬのではなく、それ以上、分裂できなくなるのです。

生命の種類によって回数がだいたい決まっていて、人間は50回くらいといわれています。

生殖細胞、腸の上皮の幹細胞など、この規定に当てはまらないものもあります。

タイマーをリセットする

オスとメスがそれぞれ異なった遺伝子を出し合います。
そしてそれこそ「足して2で割って」種類は自分たちと同じだけど、まったく別の新しい個体を産み出します。
子孫ですね。
こうするとテロメアがリセットされて長くなるんです。

こうして自分たちは寿命が尽きて死んでも、子孫が生き残ります。

自分で動ける

これも重要です。

単細胞生物でも、繊毛や鞭毛で泳いでいるのを見たことがありますよね。

植物は動かないじゃないか!と思うかもしれないけど、それは人間の時間感覚ではわからないだけで、ちゃんと動いています。
太陽があればそちらに枝葉を伸ばし、根は地面の下に伸びていきます。
雑草や木など倒れてもそこからまた上に伸びていきます。

つる草のように目が見えないのに触ったものに巻きついていく奴もいます。

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ウイルス

息をしません。
餌も食べません。
自分でエネルギーを作り出すことができません。
自分で増えることもできません。
自分では動くことができません。
歩きません。泳ぎません。飛びません。噛みつきません。刺しません。

なので、ウイルスは自分の力で人間の細胞にはいることはできません。
人間などの細胞がドアを開けて自分を部屋に運び入れてくれるのを待っているだけです。

細胞にはいってもウイルスは何もしません。

さっちゃん
でも、増えるんでしょ?
ひげおじさん
自分で増えてるんじゃなくて、人に増やしてもらってるんじゃ💦

なので、ウイルスは生きてるとはいえません。

ただの物体なんです!

学者でも意見の分かれるところですが、上に書いたとおりおよそ「生命活動」はしていません。
遺伝子を持っていて、増えるということだけが「生き物っぽい」ところです。
でも、自分の力で増えるのではなく、増やしてもらってるだけです。
人間にコピーされるコピー用紙のようなものだと思ってください。

遺伝子がはいった ただの箱!

ウイルスは「遺伝子」という設計図がはいった、アマゾンのダンボール箱みたいなものです。

ただそこに転がっているだけ。

風が吹けば飛ばされる。
水があれば流される。

じゃあどうやって細胞にはいるのか?

家の人に入れてもらう!

アマゾンの箱が風に吹かれてどこぞの家 (細胞) の玄関に転がってきました。
たまたま、玄関の扉のささくれに引っかかりました。

すると、家 (細胞) の人がドアを開けます。

「あら、こんなところにアマゾンの箱が!」

きっと「おいしいもの」がはいっているにちがいないと大喜びで家の中に持ちこみます。

人は箱があると開けたくなります。
その誘惑に勝つことはできません。

おおむかし浦島太郎が玉手箱で実証済みです。

アマゾンの箱を開ける

中から出てきたのは煙でも、おいしいものでもなく、ただの紙 (設計図) でした。

ところが好奇心が強く、お人好しの家主は、頼まれもしないのに、自分の家の材料と道具をつかって「設計図 (遺伝子情報) 」どおりに何かをつくりはじめました。
何ができるかも知らずに。

ウイルスの遺伝子と入れ物

できたのはたくさんのウイルスの設計図 (遺伝子) と、それを収めるためのアマゾンの箱です。

そして、ごていねいに1本1本、アマゾンの箱に入れてはフタをしていきます。

ウイルス・セットの完成!

できました!
たくさんのウイルスのコピーが!

こんどは外に出る

ご近所さんにおすそ分け

こうして設計図入りのアマゾンの箱がたくさんできると、こんどは玄関を開けて外に出します。
このときもウイルスが家を破壊して (細胞を食い破って) 外に出るのではなく、外に出してもらうのです。

近年、つくられたタミフルやイナビルといったインフルエンザの薬はインフルエンザ・ウイルスを「殺す」薬ではなく、つくられたアマゾンの箱を「家の外に出られなくする」薬です。

隣近所に迷惑がかからないようにするだけで、アマゾンの箱を家に入れてコピーをつくることは防げないようです。

それに対してゾフルーザは細胞内での遺伝子の合成そのものを阻害します。

何倍にも増えたアマゾンの箱はまた風に吹かれて、隣近所の家に飛ばされていきます。

くりかえすけど、自分では動けません。
飛ばされるまま、流されるままです。

じっさいに人間の体は細胞と細胞がくっついているので「玄関開けたら隣の家」で、隣の住人がまた玄関を開けて、

「あら、何かしら?アマゾンの箱じゃない!きっといいものがはいっているにちがいないわ!」

とまた、家の中に持ちこんで、お隣さんとおなじようにせっせとウイルス・セットのコピーを大量に作りはじめるのでした。

必ずしも細胞は死ぬわけではない

細胞はウイルスのコピーをつくってご近所さんにばらまくだけで、そのことで必ずしも死ぬわけではありません。
なかには壊れてしまう家 (細胞) もあります。

ウイルスは家にはいっても暴れまわるわけでもなく、毒をまき散らすわけでもありません。

ただ「ある」だけです。

でも、このことで家の人はムダに材料とエネルギーをつかってしまうので体全体として具合が悪くなります。
ほんらい自分の家を修繕したり、暖房をつかったり、増築するための材料とエネルギーを、自分にまったく関係ないウイルスをつくるために消費してしまいます。

気がつけば

「あら、おかしいわね。冷蔵庫に食べものがぜんぜん残ってないわ。それに、ストーブに入れる灯油もなくなってる…」

さっちゃん
オマヌケさんね。人がいいにもほどがあるわ!
ひげおじさん
細胞レベルではこの体たらくなんで、取り締まるおまわりさんがいるんじゃ!

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警察 (免疫システム)

一般市民はそれが何かもわからずウイルス・セットをつくってしまうので、「偽アマゾンの箱」を取り締まるおまわりさんが常駐しています。

白血球です。

おまわりさんたちは「貪食細胞」と呼ばれ、異物を見つけるとパクパクと食べてしまいます。

でも、世間でアマゾンの箱が一気に流行るとおまわりさんだけでは手に負えないので、「抗体」をつくります。

抗体

はいってきたアマゾンの箱の形にぴったり合わせて、カバーをつくります。

泥縄

箱の大きさや形によってまちまちなので「作りおき」ができません。
消費期限もあります。
いつ使うかわからないものをいつも準備しておくのはコストがかかるし、消費期限中に使わなければ廃棄処分になります。

おまわりさんと兵器が一般市民より多くなったら本末転倒ですね。

なので、アマゾンの箱がはいってきて、おまわりさんの目にとまって初めて作りはじめます。
そのカバーはアマゾンの箱があると吸いつくように貼りつきます。

すると、なんということでしょう~

一般市民からはアマゾンの箱が見えなくなってしまいました!

アマゾンの箱が玄関にコトっと当たっても気がつきません。
たまに玄関を開ける人がいても、何も見えないのでドアを閉めます。

アマゾンの箱は玄関先に転がったままです。

アマゾンの箱 (ウイルス) は自分で動けないのでただそこに転がっているだけです。
転がったままなら何も悪さをしません。
そのうちおまわりさんに見つかって食べられてしまいます。

抗体の主な材料はタンパク質です。

なので病気のときは、いや病気になる前も、高タンパク質の食事が大事です。

さっちゃん
よくわかったわ。ウイルスは何一つ自分じゃできないただの箱ってことが!
ひげおじさん
じゃあ、今のたとえ話をもうすこし専門的に説明しよう!

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