オノマトペとその動詞・形容詞 ~ やまとことば

onomatopoeia オノマトペ。動詞2026-01-02

「オノマトペ」「動詞」「形容詞」

はじめに

日本語はとにかくオノマトペ (擬音語・擬態語) が多い。
外国人には脅威 (驚異) となる。

擬声語ともいうが最近では擬音語のほうが一般的。
オノマトペはフランス語 onomatopéeから。
英語の onomatopoeia はアナマタピーアのような発音になる。

そもそも何人であっても外国語を学ぶときにいちばん苦手で覚えにくく最後になる品詞は副詞である。
形容詞の連用形も副詞の仲間だ。

副詞は動詞や文章の補足説明をするものなのでなくても大意はわかるし、成り立つ。
そして目に見えない概念なのでつかみどころがないのだ。

たとえば
車がゆっくり走っている。
人がたくさんいる。

下線の部分が副詞で、この言葉はなくてもいちばん言いたいことはわかる。
あくまで補足説明という脇役なのだ。

そしてそのラスボスがオノマトペである。
日本人はオノマトペを言葉としてではなく音色で判断している。

たとえばカ行は「固い」感じ。
マ行やヤ行は「柔らかい」感じがする。

そしてカンカンとガンガンのように濁点がつくと音が大きくなる。

この音色がわかってくるとオノマトペははじめて聞いても予想がつくようになる。

またカンとカンカンのように、単音と畳語の両方で使うことが多い。

そしてオノマトペと動詞・形容詞がセットになっているものがけっこうある。

おじさんの想像も盛り込んでいるので学術的な記事ではないが、音色の感覚がわかればオノマトペは言語ではなく音でちょくせつ脳に語りかけてくるようになる。

漢字は当て字が多いのでつかわないほうがいい。
参考まで。

オノマトペと動詞・形容詞

めく

きらきら→きらめく (煌めく) ✨️

ひらひら→ひらめく (閃く) ✨️
現代では「ひらひら」は「薄いものが動く」ことにしかつかわないが、古くは「突然光ったり、揺れる様子」も指した。
「きらきら」とおなじように「ら」の音がつかわれている。

ささ・さざ→ささめく・さざめく・さんざめく🌬️
これも現代ではつかわなくなったが、「ささ」「さざ」は「風・水が流れる」音を表す。
「さ」「ざ」は摩擦音なので「風の音」を象徴する。
濁点がついたり「ん」がついたりするほど音が大きくなる。
「ささめく」は「ささやく」とおなじで「ひそひそ話す」という意味もある。
いずれにせよ「風の音」である。

ざわざわ→ざわめく・ざわつく
これの弱形は「さわさわ」
「さ」「ざ」は摩擦音なのでまさに「擦れる」感じがする。

はたはた→はためく🎌
「はた」だけでも「平らなもので叩く」音を表す。
音がすこし大きくなると半濁点がついて「ぱた」「ぱたぱた」になる。
さらに音が大きくなると濁点がついて「ばた」「ばたばた」になる。

旗 (はた) もこの音からできた言葉ではなかろうか。
「は」は摩擦音で風の音を感じる。
「ぱ」「ば」「た」は破裂音でまさに叩いた感じがする。

ハタと膝を叩いた。 (ほとんど聞こえない音)
戸がパタッ / パタンと閉まった。 (やさしい音)
戸がバタッ / バタンと閉まった。 (うるさい音)

玄関を開けると
妻がパタパタっと走ってきた。 (かわいい😍)
妻がバタバタっと走ってきた。 (こわい😨)

ほとほと→ほとめく
「はた」の仲間。
「戸を叩く音」「斧で木を切る音」など。

「枕草子」に「ぬかづき虫…ほとめきありきたるこそをかしけれ」という文章がある。
「コメツキムシ (米搗虫) がほとほとと歩いている姿が面白い」という意味。
ぬかづき虫は「額ずく / 額突く」つまり額を地面に打ちつけながら歩くからこの名がついた。
「叩頭虫」「額突虫」と書く。

そもそも「額突く」なので「ぬかづく」が正しい。
「ぬかずく」はおかしいのだよ。
「頷く」も「項突く」なので「うなづく」が正しい。
「うなずく」はおかしいのだよ。

国語分科会さん。

コメズキムシとは言わないし、書かないだろう。

※ ほとほと (殆・幾) は「ほとんど」の意でまったく別の言葉。
「ほとんど」はもちろん「ほとほと」が音変化したもの。

ひしひし→ひしめく (犇めく)🐮
「ひしひし」は「犇犇」「緊緊」と書く。
見たとおり「押しくら饅頭押されて泣くな」状態。
「ひ」と「し」は最強の口蓋摩擦音である。

ひそひそ→ひそめく (潜めく・密めく) 。ひそむ (潜む) 。ひそか (密か) 。ひそやか (密やか) 。
ほんとに内緒話は「ひそひそ」と聞こえるよね。

ほのぼの→ほのめく (仄めく) 。ほのか (仄か)
「ほのぼの」は現代では「心の暖かさ」を表現するが、もとは「かすかに明るい」ことを言う。
「ほのか (仄か) 」は今でもその意味でつかう。

どきどき→ときめく
心臓の鼓動の音

ゆらゆら→ゆらめく
揺らぐ。揺らす。揺れる。もこれから派生したのではなかろうか。

よろよろ→よろめく・よろける
「ゆらゆら」の仲間で「揺れる」様子を表す。
よろめく。足の運びがおぼつかない。
よろける。躓いたりして倒れそうになる。
仲間に「ふらつく」がいる。

つく

いらいら→いらつく (苛つく)
イライラする。

うろうろ→うろつく (彷徨く)
ウロウロする。

うわうわ→うわつく (浮つく・上つく)
「うわうわ」なんて言葉、あるんだね😮
「うえ ・うわ (上) 」が先か。

辞書には載っているが現代では見たことも聞いたこともない。
ポツンと一軒家のADが山道で発する言葉ではない。

「浮」の読みは「うかぶ」である。
「うわ」という読みかたはない。

しかし「浮気」「浮つく」だけこの字と読みをつかう。
「浮気」ももとは「上気」と書いたがこれだと「じょうき」と区別がつかないので「浮気」と書き分けるようになったのだろう。

がたがた→がたつく
ガタガタする。
カタカタの大きい音だ。
音から揉めごとも表す。

ごたごた→ごたつく
こちらは音ではなく、揉めごとにだけつかう。

ざらざら→ざらつく
ザラザラする。
「さらさら」より「ざらざら」のほうが摩擦が大きい。

ぐらぐら→ぐらつく
グラグラする。
その一歩手前は「くらくら」で倒れそうだがまだ倒れない。
「ぐらぐら」は今にも倒れそう。
「ら」は「ゆらゆら」とおなじように「不安定」「揺れる」さまを表す。

ごろごろ→ごろつく
「ころころ」の強い版。
文字どおり「ゴロゴロする」ことだが、「床に転がっている」「そのへんに転がっている」ということから、「住所不定」「無職」でそのへんに転がっている「役立たず」「穀潰し」を「ごろつき」と言うようになった。
ただのプー太郎ではなく、人にたかったり、ゆすったりするクズのことを言う。
「破落戸」という当て字があるが覚えなくていい😄

ざわざわ→ざわつく
「ざわめく」を参照されたし。

ぱらぱら→ぱらつく
「ぱ」は軽い破裂音。
「ら」は滑らかな音。
粒状のものが降ったり散ったりするさま。
雨がぱらつく。雨がぱらぱらと降る。
本をめくる音。

ばらばら→ばらつく
「ぱら」の音が大きくなったもの。
雨の粒が大きい。

またこれが「散る」さまから「離れる」「分かれる」の意に変わる。

不揃いであること。
データはバラバラだ。

→ばらす
分解する。
また分解して中身が露わになることから「秘密を暴露する」の意にもなる。
「バラバラにバラす」のように、しばしばオノマトペと動詞はセットで重複してつかう。

→ばれる
「ばらす」の自動詞化。
検索語の上位にかならず出てくる
「〇〇したらバレますか?」の「ばれる」だ😄
そんなに人に知られたら困ることやっているのか?

むかむか→むかつく
ムカムカする。
「む」は唇を閉じてこらえるので「気持ち悪さ」「我慢」を表す。

ふらふら→ふらつく
不安定なさま。
揺れる「ら」の仲間。
「ふ」は弱い息。
足取り、または気持ちが揺れ動くこと。

ぶらぶら→ぶらつく・ぶら下がる
ぶら下がって揺れ動くさま。
「ふらふら」の上位バージョン。
「ぶら下がり (suspend) 」状態から安定せず、目的もなく過ごしたり、歩いたりすることも言う。

無頼漢 (ぶらいかん) はじつはオノマトペで当て字なのではなかろうか。
知らんけど。

やく

ささ→ささやく (囁く)
「ささめく」に書いたとおり、「ささ」は「風の音」🌬️

※ ささやか (細やか) は「些 (さ) 」からできたか。

う・す・む・る・ぶ・ぶる・びる・がる (動詞語尾)

きしきし・ぎしぎし→きしむ (軋む)
よく「き」と「し」の音をつかってくれた👏
物と物が擦れ合って出る音だ。

ころころ→ころぶ (転ぶ) ・ころがる (転がる)

すべすべ→すべる (滑る)
「滑滑」で「すべすべ」と読む / 読ませるが覚えなくていい。

副詞「す\べすべした」は頭高。
ナ形容詞「す/べすべな」は平板と、これまた外国人殺しの言葉である。
これはほかの単語でもよくあること。
品詞によりアクセントが変わるのはめずらしくない。
それを言ったら英語も名詞は頭高、動詞は尾高という癖があるではないか。

しなしな→しなう (撓う) ・しなる (撓る) ・しなびる (萎びる)
弾力があって曲がるが折れない。
現代語「しなびる (萎びる) 」はもともと「しなぶ (萎ぶ) 」である。

ばらばら→ばらす

へこへこ・ぺこぺこ→へこむ (凹む)
「ぺこぺこ」は「へこへこ」の強調版。
凹むことから、頭を下げることにもつかう。
「お腹がぺこぺこ」は言わずもがな。
さらに「べこべこ」があるが辞書には載っていない。

たらたら・だらだら→だれる・だらり・たれる (垂れる)
もとは「たらたら」で「液体がゆっくり流れる」「変化に乏しい」「しまりがない」の意。
「たれる (垂れる) 」はもともと「たる (垂る) 」

てかてか→てかる
テカテカする。
「艶があって光る」

ゆさゆさ→ゆさぶる (揺さぶる) ・ゆする (揺する)

すぶすぶ→すぼむ (窄む) ・すぼまる (窄まる)
「すぶすぶ」は古事記の中に出てくる。

大国主命 (オオクニヌシ) なんども殺され根の堅洲国へ逃げる! ~ 古事記

その他

せせらぎ

古くは「せせらき」「せぜらき」とも言う。
「せせ」は「水の流れる音」と思われるが「せせらぐ」という動詞はない。

「和らぐ」「安らぐ」のように「らぐ」は動詞語尾である。

「瀬瀬」とも考えられるが不明。

形容詞

うらうら→うららか (麗らか)
晴れて穏やかでのどかなさま。

のろのろ→のろい (鈍い)

とろとろ→とろい
「勢いが弱い」さま。
「火が弱い」
「とろ火で煮込んで具が柔らかくなる」

ちょろちょろ→ちょろい
「ちょろい」は「とろい」の音が変わって軽くなったものか。
「とろとろ」とおなじく「火が弱い」
「水が少しずつ流れる」
「ネズミなど小さいものが動き回る」
などの意。

「初めちょろちょろ中ぱっぱ。赤子泣くとも蓋取るな🍚」
って知らねえだろうなあ。

めく・つく・やぐ・らぐ

これらはオノマトペだけでなく名詞・形容詞・動詞などについて動詞にする。

春めく
浮つく
華やぐ
和らぐ

これをやり始めると一冊の辞書になってしまうので今日はやめる。

むすび

オノマトペと動詞は日本人ならすぐ思い浮かぶが、それぞれについて調べるとけっこう時間と手間がかかった。
また、そんなオノマトペないだろうなと調べると「うらうら」のように実在するものが次から次へと出てきた。

さっちゃん
またまた、まったり🍰
ひげおじさん
しゅわしゅわ、しゅんわり🍺
クマ
そんなのないよ

※ 「まったり」はある。

ふわふわ・ふんわり ~ 畳語と「-り」

やまとことば ~ 一覧

わたしは日本語教師をしています

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表示名はToshiです。

https://www.italki.com/teacher/8455009/japanese

さっちゃん
わたしはさっちゃんです!watashi wa Sacchan desu!
ひげおじさん
わしはひげおじさんじゃ!washi wa hige-ojisan ja!

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