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「怒り」「罵り」「受け取らない」「返さない」
怒りの料理には手をつけない

<サンユッタ・ニカーヤ 7篇 バラモンに関する集成 1章 敬わるべき人 2節 罵り 1-16>
<ダンマ・パダ 1章 ひと組ずつ 3-5>
罵る者バーラドヴァージャ
罵る者バーラドヴァージャはブッダに、思いつくだけの罵詈雑言をぶちまけました。
ところが、ブッダはそれを受け取りませんでした。
そして、このようにいいます。
「バーラドヴァージャさん。
あなたの家に親戚や友人が来ることはありますか?」
「えっ?…ときどき来るけど、それが何か…」
「そのときかれらに料理を出しますか?」
「出しますよ」
「かれらが食べないで帰ったら、その料理は誰のものになりますか?」
「そりゃわたしのものです」
「そうです。
あなたが出した料理をお客さんが食べなかったら、それはあなたが食べることになります。
あなたが争論という会食にわたしを招待するなら、わたしはそれを受けるつもりはありません。
あなたと会食する気はありません。
あなたはぶちまけた料理を自分で食べることになります」
こうしてバーラドヴァージャはブッダに帰依します。



怒りを返さないのが最大の攻撃
怒りのキャッチボールの誘いには乗らない
議論好き、争い好きの人がいます。
とにかく誰彼となくケンカをふっかけてきます。
罵りの言葉に、罵りの言葉で返せばかれらの思う壺です。
争い好きの人にとって、相手が言い返してくれば大喜びです。
暖簾に腕押し。糠に釘
だから、かれらにとって最大の屈辱、苦痛は相手が何の反応もせず、何も投げ返してこないことです。
あなたが何もいわないとこういうでしょう。
「何とか言えよ!」
しかし、この意味は
「そのボール受け取って、こっちに投げ返してちょうだい!わたしを無視しないで。おねがい」
です。
投げられたボールは取らない、拾わない、打ち返さない
怒りというボールを投げつけられたとき、もし取って投げ返したり、打ち返したりすれば、かれらは大喜びでまた投げてきます。
でも、怒りというボールを投げつけられても、ほっとけばボールは向こうに飛んでいってしまいます。
かれは、つぎのボールを投げるかもしれないけど、そのうちに持ち玉はなくなってしまいます。
1人で投げるのにもくたびれてしまいます。
そして、向こうに飛んでったボールを自分で拾いに行く羽目になります。

