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「2の100乗」
2の100乗の米ください ~ 曽呂利新左衛門 ~ 計算してみよう!
2の100乗の米ください ~ 曽呂利新左衛門
今日は米1粒。
明日は倍の2粒。
明後日はその倍の4粒ください。
これを100日間お願いします。
といった曽呂利新左衛門。
OK!と快諾した秀吉。
しかし、何日か経つと厖大な数になることに気がつきました。
曽呂利新左衛門に謝り、ほかの物に代えてもらいしたとさ。
めでたしめでたし
曽呂利新左衛門は確信犯ですね。
最初から知ってて、しかも相手がカンタンにOKすることも知っててこれを頼んだにちがいありません。
もちろん実現不可能なことも知っているので、秀吉が困るのを見て楽しむというちょっと意地悪な人です。
信頼関係がなければ逆ギレされて切り捨てられていたでしょう。
2の100乗
さて 2100 は電卓を叩けばすぐ出ます。
あっ、ほんとに叩かないでね。
PCの関数電卓では
[2][xy][100]で文句も言わず計算してくれます。
電卓はデフォルトで標準になっているので、左上の≡をつつくと、関数電卓があります。
グーグルの検索窓に
2^100 と入れても計算してくれます。
なんと便利な世の中
^ は、ひらがなの「へ」のキーです。
この場合は有効数字8桁までしか表示しません。
1.2676506e+30
e+30 というのは、1 の後ろに 0 が 30コつく数をかけるという意味です。
わかりやすくいうと小数点 (1.2 のところですね) の後ろに 0 が 30コついているということです。
2100=
1,267,650,600,228,229,401,496,703,205,376
です。
しかしこの3桁ごとにカンマを打つのは西洋の数字が3桁ごとに位が上がるからで日本人にはとても読みにくいです。
なぜなら日本では4桁ごとに位が上がるからです。
桁の「,」なんで3桁ごとに打つの? 1,000,000,000
4桁ごとにカンマを打ってみましょう。
126,7650,6002,2822,9401,4967,0320,5376
ほら読みやすくなった!
て、けっきょく読めないか😄
読みかたはこうです。
126穣7650秭6002垓2822京9401兆4967億0320万5376
京 (けい) 、垓 (がい) 、秭 (し) 、穣 (じょう)
秭は、禾+予 (じょ。この漢字、なぜか表示されません💦秭のほうが特殊な気がするんだけど) ともいいます。
どちらが正しくてどちらがまちがいなのかわかりません。
むかしは印刷の文字などなく手書きでしかも楷書ではなくミミズがのたくったような文字を書いていたのでほんとの字がわからないことも珍しくありません。
答え
まず上の数字は長すぎるし細かい数字は意味がないので、末端価格のごとく126穣にしましょう。
3桁にしたのは何の意味もありません。
円周率を3.14と3桁にしたのとおなじように意味はありません。
円周率といえば約3で何の問題もありません。
もし3じゃアバウト過ぎるという人は、じゃあなぜ3.14159265をつかわないのか説明できますか?
意味はないんです
もっともらしい、あるいは算数の計算をするときに3じゃ、「計算の練習にならないから」くらいの意味しかありません。
それからゆとり世代が3と習ったというのは学習塾のデマですからね。
① 全部で何トンになるでしょう?
まず米粒の数は 126穣粒 になりました。
つぎに米粒の数に0.02gをかけます。
126穣×0.02=2.52穣[g]
これをトンに換算します。
1000g=1kg
1000kg=1t
なので1000×1000=100,0000 (百万) で割ります。
2.52穣 ÷ 100,0000=0.00000252穣
日本の数字は4桁ごとに位が変わるから、8桁ずらすと小数点が消えます。
それじゃ納得行かない人は0を全部書いてから計算して、100,0000 (百万) の0を6コ消してもいいです。
答えは、
252垓トンでした。
いちおう数字を書いておくと、
252,0000,0000,0000,0000,0000 です。
英語では
twenty-five sextillion two thousand quintillion です。
これもイギリスとアメリカでは変わります。
アメリカ式では、
1,000,000 が million
以降、0 が 3コ増えるたびに
billion, trillion, quadrillion, quintillion, sextillion となります。
bicycle, triangle, quartet, quintet, sextet とおなじく、これらは2, 3, 4, 5, 6 の接頭辞です。
関数電卓では
0 を 30コも打つのは大変です。
[1.26][e][30]と打てば、[1.26e+30] の表示になって、0 を 30コ打たなくてもすみます。[126][e][28] と打ってもおなじです。
とても紛らわしい
上の[e]はキーボードの[e]です。
[+]はかってに出てくるので打つ必要はありません。
ていうか、打ったら足し算になってしまうので要注意。
電卓に[e]のボタンがあるけどこれはネイピア数で2.718…というような数字が出てきます。
Napier’s constant なのになぜ[e]なのか?
Euler’s number (オイラー数) の e とか、exponential (指数関数的) の e とか言われてるけど本性はわかりません。
さらに[exp]ボタンがあるけど、こちらが exponent (指数) の e で、キーボードの e の代わりにこれをつかっても同じです。
むかしの人がオイラーさんにちなんで e をつかったのがいけないのか、後世の人がおなじ e や exp をつかったのがいけないのか。
ちがう文字にしてほしかったですね。
② 日本の米の生産量 何年分になるでしょう?
2020年の主食用の米の生産量は722万6000トンです。
この数字の最後が6000トンとすっきりした数になっているのも意味はありません。
ほんとは5926トンかもしれないし、6264トンかもしれないけど、そんなに細かい数字は意味がないから四捨五入してるんです。
有効数字を厳密に考えるのは数学者や物理学者だけです。
さあ、上の答えをこの数で割ってみましょう。
252垓 ÷ 722万6000=3487兆4065億8732万3553…
それこそ252垓は有効数字3桁なので四捨五入すると、答えは
3490兆[年]
う~ん。
どれくらい長いのかよくわからない。
人類と呼べるものが出てきたのが200万年前と言われています。
恐竜が絶滅したのが6600万年前。
これも桁違い。
地球ができたのが46億年前。
まだまだ。
宇宙が誕生したのが137億年前。
まったく歯が立たない。
ということで秀吉が真っ青になったのはまちがいありません😱
ついでに世界の米の生産量 何年分になるでしょう?
2016年の農林水産省のデータによれば世界の米の生産量は4億8000万トンです。
一応こちらも計算してみましょう。
252垓 ÷ 4億8000万=52兆5000億
答えは
52兆5000億[年]
でした。
なぜ 2100-1 になるのか?
さて 2100 を電卓で打つのはむずかしくないけど、この問題がしょうしょう厄介なのは、1+2+4+…と100日分をぜんぶ足さなければならないことです。
100日間、または畳100畳にこれを繰りかえすので、最後には 2100 (2の100乗) 、つまり2を100コかけた数になります。
厳密には1日めが 1 なので、これは 20 に相当します。
(どんな数でも0乗は1です)
2日めが 21=2 なので、100日めは 299 になります。
ただこれは最後の100日めにもらう米の数なので、1~99日までにもらった分をぜんぶ合わせるとじつは 2100-1 になります。
ぜんぶ律儀に足していくのは大変というか、不可能に近いのでもっとカンタンな方法はないか考えます。
怠け者ほど「楽に早くできる方法」を考えるものです。
たとえば九九。
9×9 は 9 を 9コ足すことですがそれはめんどくさい、という人が九九を考案しました。
数学的帰納法もどき
繰りかえす手順をぜんぶ調べるのは大変なので、最初と次の関係を調べて、それはその先も続くだろうというのが帰納法の考えかたです。
おじさんは数学者ではないので「もどき」にしておきます
その日にもらう数と累計は、
1日目:20 = 1
2日目:20 +21 = 1+2=3
3日目:20 +21 + 22 = 1+2+4=7
これを見ると累計は
1日目:21 -1 = 1
2日目:22 -1 = 3
3日目:23 -1 = 7
という関係が浮かび上がってきます。
正確な数学ではないけど、こうして100日目までの累計は
100日目: 2100-1
であろうという結論が導き出されます。
たぶん😄