目次をご覧になりたい方はクリックしてください→
「日本語」「外来語」「中国語」「漢字」「カタカナ語」
日本語は、半分以上が外国語!
日本語と中国語 (漢語) の混在。むしろ「漢語」が日本語の主体となって、「やまとことば」は駆逐されてる!
ロマンス語 (英語とラテン語の関係)その1~ノルマン・コンクエストはこちら
「弊社の製品には万全を期しておりますが、万一不都合がございましたらお客様相談センターまでご連絡ください。代替品を送付させていただきます」
「弊社の製品には万全を期しておりますが、万一、不都合がございましたらお客様相談センターまでご連絡ください。代替品を送付させていただきます」
ひらがなだけが、もとからの日本語なんだよ。
もちろん、すでに「日本語」ではあるけど、もともとの日本語ではありません。
このサイトでは、「漢字」とともに入ってきた、昔の中国の言葉と、昔も現代でも存在しない中国語かもしれないけど、「漢字」をもとに作られた単語を「漢語」と呼び、「外国語」として扱います。「外国語」から取り入れた言葉を「外来語」と呼びますが、少なくとももともとの「日本語」ではありません。どこからが、もともとの日本語なのかというのも線引が難しいけど、ここでは「漢字」とともにはいってきた「音 (オン) 」を「外国語」、「訓 (くん) 」をもとからの日本語「やまとことば」と呼ぶことにします。
上に、何気なく書いたけど、もう一度書いてみましょう。
左がもともとあった「やまとことば」。右が「漢字」とともにはいってきた外国語「漢語 (中国語) 」です。
「買う/購入する」
「速さ/速度」
「飲みもの/飲料」
「着もの/衣服」
「確かめる/確認する」
「送る/送付する」
「走る/走行する」
「見聞きする/視聴する」
怖いですね。
あなたの知らない間に、日本語の半分以上が「中国語」に置き換えられてしまっているんです。
もちろん、日本は中国に侵略されたことはありません。
ただ、文字や文化を使って侵略されてたんですね。
中国語に慣れてしまうと、さらに「飲料」が「ドリンク」に。それでも足りず「ビバレッジ」に。
「衣服」は「アパレル」へと変わっていきます。
動詞の活用をしなくなった
さらに英語の勉強で、日本語がおかしくなってますね。
例えば、canを辞書で引くと、「~することができる」と書いてあります。
こう書けば、「~」のところには動詞の原形 (辞書形) を入れればいいだけなので便利です。
本来、「確かめる」なら、「確かめられる」、「走る」なら、「走れる」というふうに「活用 (語尾の変化) 」させていたのですが、英語の勉強の悪影響で、「活用」することをやめて、「確認することができる」、「走ることができる」という使い方のほうが主流になってしまいました。
そして、次のような「カタカナ英語 (他、ヨーロッパの言葉) 」を日本語の「てにをは」だけで繋げるようになってしまいました。
「このショップではナチュラルでヘルシーなスローライフのため、オーガニックフードをリザーブしてます」
どこの国でも、外国語をちょっと「雰囲気の違う」「オシャレな」あるいは「かっこいい」言葉として取り入れる傾向がありますが、日本語はそれがかなり激しいです。
日本語が、「てにをは」でいくらでもくっつけられる言語だったことも外来語が氾濫する原因の一つかもしれませんね。
また、「~する」のところに名詞を入れて動詞化してしまいます。
「歩く」→「ウォーキングする」
「走る」→「ランニングする」
「漢字」がもはや「新鮮さ」「かっこよさ」「オシャレさ」「頭良さそう」「インテリ」というイメージをなくして、完全に「日本語」になりきってしまったので、今度は怪しげな「外国語」を使い始めたのですが、「使ってる本人も意味わかって使ってんのかー!?」とツッコみたくなる文章が巷にあふれています。
「コンテンツ」とか「アイデンティティ」とか、意味をちゃんと説明できる人がどれだけいるでしょうか?
雰囲気で、いやフィーリングで使ってるだけです(^^)
こう見ると、英語はまだマシな方かもしれませんね(^_^;)
ビバレッジって何? えっ? 飲みもの? 飲みものでいいんじゃないの?
いち、に、さん…も外国語!?
「いち、に、さん…」と聞こえたからです。
モンゴルでも数字は日本と同じ発音なんだ!
日本語の授業なのかな? と思ったけど、
「いや。そもそも『いち、に、さん…』て日本語じゃないんだ」と気づきました。
(厳密には、「いち、に、さん…」とはっきり言ってたわけではなく、それに近い音に聞こえました)
「いち、に、さん、し、ご、ろく、しち、はち、きゅう、じゅう」
って、「外国語 (中国語) 」なんだよね!
現代中国語では、1から10まで次のように言います。
「イー、アー、サン、スー、ウー、リョウ、チー、バー、ジョウ、シー」
日本語の「いち、に、さん、し、ご、ろく、しち、はち、きゅう、じゅう」は、昔、漢字とともにはいってきた中国のある時代の、ある地域の発音を、さらに当時の日本人が真似たもので、現代語とは違いますがとてもよく似てます。
「漢字」なんだから「漢」の時代の「漢」の音だろうと思ったら、現代のようにテレビやネットがあるわけではないので伝わってくるのにかなり時間がかかり、さらにそれが日本で広がって定着するのに時間がかかるので、実際には「隋」「唐」の時代の音です。
4 (し、よん) 、7 (しち、なな)
カウントダウンするときは、
4 (よん) と7 (なな) だけ言い方が変わりました!
どうしてでしょう?
- 「し」は「死」を連想するので「よん」に言い換える。
- 「1 (いち) 」「4 (し) 」「7 (しち) 」は聞きまちがいが多いので言い換える。
とくに「7 (しち) 」の「し」の音は「無声化」するので「ち」しか聞こえないことがあります。
「無声化」
英語を習いはじめたとき、日本語はかならずku, pu, su, tuのように母音が後ろにつくのですべて「有声音」、
それに対して英語はk, p, s, tなどの「無声音 (声帯が振動しない) 」があるので日本語とちがうと思った方がほとんどだと思いますが、じつはわたしたち日本人は知らずに「無声音」を使っているのです。
たとえば「7」は「shichi」ですが、わたしたちは「sh, chi」のように発音しています。
「聞く、菊 (きく) 」も「き」は「無声音」です。
自分の喉に指を当てながら発音すると、「し」や「き」のときは喉が振動してないことがわかります。
もっと簡単にいうと、「ひそひそ話」をするときはすべての音が「無声化」します!
「いち、に、さん…」は外国語と書きましたが、そもそも日本語では何というのでしょう?
「ひ (と) 、ふ (た) 、み、よ (ん) 、い、む、な (な) 、や、こ (この) 、とお」ですね。
厳密にいうと、もともと日本語には「8」までしか数がなかったので「9、10」の読みはあとからできたものです。
なので数が多いものを「八重」「八百屋」「大江戸八百八町」「八百万の神」などといいます。
「九重」は「8の上を行く」ということで後世に作られた言葉でしょう。
1から数え上げるときは、全部「音読み (中国語読み) 」するのは、学校でそう教えるからだと思います。
一般に、物の個数を言うときは、4と7だけ、「よん」「なな」と「やまとことば」を使うのが普通です。
4歳 (よんさい) 、4コ (よんこ) 、4回 (よんかい) 、4階 (よんかい)
7歳 (ななさい) 、7コ (ななこ) 、7回 (ななかい) 、7階 (ななかい) など。
4歳 (しさい) とか、7コ (しちこ) とは言いませんね。
上りでは9を「く (ー) 」という人もいます。
その場合、10も「とー」になることが多いです。
「きゅう」と「じゅう」も聞き分けにくいからです。
国によっては「じ」の発音や概念がないところもあり、「10時 (じゅうじ) 」を「きゅうち」のように発音する人もいます。
じっさいおじさんは何度聞いても「9時 (きゅうじ) 」にしか聞こえなくて、紙に書いてもらったら「10時」だったことがあります。
数字の訓読みと音読み
4、7以外にも、訓読み (やまとことば) するか、音読み (漢音) するか、決まっているものがあります。
訓 (やまとことば) | 音 (漢音) | |
1 | 一昔 (ひとむかし) 。1人 (ひとり) 。一片 (ひとひら) 。 | 1個 (いっこ) 。1回。1階。一片 (いっぺん) 。 |
2 | 2人 (ふたり) 。二重 (ふたえ) まぶた。 | 2個 (にこ) 。2回。2階。二重奏 (にじゅうそう) 。 |
3 | 三つ編み (みつあみ) 。三つ巴。 | 3個 (さんこ) 。3人 (さんにん! ) 。3歳 (さんさい! ) 。三角。三三五五。 |
4 | 4個。4人。4歳。4時。4年。四方 (よも! ) 。 | 四角。四苦八苦。四面楚歌。四方八方。 |
7 | 7歳。7時。7人。なくて七癖。七転び八起き。 | 七人。七時。七里ガ浜。七転八倒。 |
8 | 八重 (やえ) 。八岐大蛇 (やまたのおろち) 。八雲。八幡 (やわた) | 八卦 (はっけ) 。八十八夜 (はちじゅうはちや) 。八幡 (はちまん) 。 |
9 | 九重 (ここのえ) 。 | 九死に一生。九尾 (きゅうび) の狐。三三九度。 |
4は「よ」と「よん」の2通りのいいかたがあります。
「7時」は一般的に、「しちじ」ですが、「1時 (いちじ) 」と聞き間違える恐れがあるので、「ななじ」ということもあります。
人数も、「7人」は「ななにん」と「しちにん」と2通りのいいかたがあります。
「4人」は「よにん」で、けっして「しにん」とはいいません。
「死人」になってしまいますからね(^^)
「二重」のように2通りの読み方があるものもあります。
「ふたえ」または「にじゅう」のように、
基本的には「訓読み (やまとことば) 」は「訓読み (やまとことば) 」だけ、
「音読み (漢音) 」なら「音読み (漢音) 」だけで、
それらを混ぜることはありません。
ただし、例外はあります(^_^;)
「重箱 (じゅうばこ) 」「湯桶 (ゆとう) 」の類です。
漢音 (漢字の中国語風の読みかた)
漢字には、古い方から順番に「呉音」「漢音」「唐音 (宋音) 」があります。
呉音 (ごおん)
4世紀後半~6世紀に日本に伝えられました。
主に、仏教用語に残っています。
「京 (きょう) 」「明 (みょう) 」「自然 (じねん) 」など。
中国は「南北朝時代」
長江下流の「呉」の地方が文化の中心だったので、この地方の音が取り入れられました。
王朝としての「呉」は222~280年で西晋 (せいしん) に滅ぼされています。
漢音 (かんおん)
7世紀~
漢音と言うけど、中国は「隋」「唐」の時代で、遣唐使などにより伝えられました。
当時の都、「長安」で使われていた音。
儒学関係に使われるようになりました。
「京 (けい) 」「明 (めい) 」「自然 (しぜん) 」など。
王朝としての「漢」は紀元前206~紀元後220年。
唐音 (とうおん) 、宋音 (そうおん)
鎌倉・室町時代 (1185~1573年) にはいってきました。
「宋」 (960~1279年) と往来した禅僧などにより伝えられた音。
現在の「北京語」の元になる音なので、現代中国語に近い音です。
「椅子 (いす) 」「行脚 (あんぎゃ) 」など。
王朝としての「唐」は618~907年です。
やまとことば~一覧はこちら
わたしは日本語教師をしています
プロフィール・レッスン予約はこちら。
表示名はToshiです。
https://www.italki.com/teacher/8455009/japanese