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「オンライン」「日本語教師」「生徒」「ニーズ」
生徒のニーズ
これは日本語教師にかぎらず、サービス業だけでなく、製造業でも、
「顧客が何を求めているか?」
「お客さんは何を欲しがっているか?」
「消費者は何を買おうとしているのか?」
は重要なポイントです。
いくら世界唯一のものでも、人間国宝級の技術でも、お客さんが必要としないものは「ガラクタ同然」です。
「これは世界に1つしかないんだぞ」
「これができるのは世界に私しかいないんだぞ」
と威張っても、お客さんが必要としなければ、
「ああ、すごいね。それで?」
で終わりです。
裏を返せば、「超特殊技術」でなくても、「国宝級の品物」でなくても、お客さんが必要とするものなら買ってくれるということです。
われわれ教師にとっては生徒が「お客さん」です。
日本では先生が偉い
いやはや、わたしはさまざまな習い事をしてきたのでこの構図にうんざりです。
たしかに先生のほうが知識があり、技術力があり、経験があり、それを生徒に教えるのが仕事です。
でも、生徒はお客さんでお金をもらっているということを忘れてはいけません。
わたしは大学時代のグライダーにはじまり、ハンググライダー、パラグライダー、スカイダイビングと空を飛ぶものは何でもやりました。
このインストラクターと呼ばれる先生たちの傲慢で愚かなこと。
生徒は教えてもらうために先生を持ち上げますがそのことに気がついていない。
お金をもらっている相手にパシリをさせたり、個人的な好き嫌いで生徒に対する態度を変えたり。
日本人はそれを知っているので、先生を尊敬しているのではなく、ヘソを曲げて自分だけ教えてもらえないと困るからご機嫌を取ってるだけです。
アメリカに飛行機の免許を取りに行ったときにその差は歴然としていました。
もちろん安全面など厳しく教えなければならないところはあるけど、基本的に生徒はお客さんです。
彼らはそのことをよく知っています。
日本とは逆に、生徒を獲得できなければ自分の仕事がなくなるということを知っています。
ところで日本語学習の生徒は?
話がそれました。
一口に日本語といっても求めるものはさまざまです。
ただ、旅行に行けばいいのか、アニメのセリフがわかればいいのか、それとも将来的には日本で仕事をしたいかなどみなちがいます。
また、「読み書き聞く話す」に大きく分けられます。
オンラインの生徒は「聞く、話す」を求めている
これはあるていど予想できましたが予想どおりでした。
ひらがな、カタカナ、漢字などの文字はオンラインで教えるほどのものではありません。
ただ、字を見て何度も書いておぼえるだけです。
それはわれわれ日本人も経験してきていることで、学校で先生が漢字を教えたからといっておぼえられましたか?
自分でおぼえるしかないですよね。
英語の単語も然り。
文法も教科書を読めば勉強できます。
学校は生徒がおぼえるかおぼえないか、理解するかしないかにかかわらず、学校のカリキュラムで決められた速さで、決められたときに、決められた文型を授業でやります。
教科書で独学なら自分のペースでできます。
聞く、話す
ほぼ100%の生徒がこれをするためにオンラインの授業を受けています。
このためにお金をつかっています。
じっさいに生徒が言ってました。
「学校に行っても漢字と文法の勉強ばかりで話す練習はほとんどできない。だから、italkiの先生と話をしています」と。
なので、オンラインの生徒は教科書が嫌いか、すでに独学でやっていてもう必要ないかのどちらかで、どちらにしても「教科書に沿った文法の授業」というのは需要がありません。
わたしも日本語教育の学校に通って、文型の分析をして、教案を書いて、フラッシュカードやら写真やイラストを拡大コピーして、模擬授業を行いましたが、いまのところそのような授業は1人もしていません。
う~ん。何のための学校だったのか?
まあ、あれは日本語学校で授業をする人のための研修みたいなものですね。
残ったのは「みんなの日本語」などの教科書の山。
おまけにオンライン日本語教師をやるために「げんき」を買いました。
新品のままです😅
高い学費を払ってわれわれは日本語教育の学校に通い、そこで学校の授業のやりかたを練習させられ、学校に気に入られればそこに就職できる。
しかし、そこでは毎回、45分とか1時間の授業の文型ごとにフラッシュカードつくって、教案書いて、例文の紙にマグネット貼りつける準備をしなければならない。
これを50課分つくるのです。
まあ、50回一巡したら同じものがつかえるようになるけど、しょせん紙だから何回かつかえばしわくちゃになり、汚れたり、破れたりします。
時給計算したらいくらになるの?
いや、それ以前にこのやりかただとたとえ授業を任されても1日に、いや1週間に1コマしか授業ができない。
日本語学校で先生になることに見切りをつけた私です。
そう。コロナ騒ぎがはじまる前からわたしはオンラインの先生を考えていました。
またまた話がそれましたが、オンラインの生徒はほぼ100%「聞く、話す」を求めています。
問題は超初心者
あるていど独学で文字をおぼえて、カタコトでもしゃべれる生徒はそれでもいいです。
問題はひらがなさえ覚えていないのに「教科書は嫌だ。文法の勉強は嫌だ。話したい」という生徒です。
「じゃあ、日本語で自己紹介してください」というと
名前、住んでるところをカタコトでいうのが関の山。
それもおそらくグーグル翻訳をそのまま読んでる感じ😄
う~ん。それじゃあいつまでたっても日本語おぼえられないし、しゃべれないよね。
すくなくとも、ひらがなくらいは自分でおぼえようね。
聞き流すだけでおぼえるなんてウソ!
われわれ日本人がabcも読めないのに英語の勉強しないでしょう。
聞き流すだけでおぼえるなんてウソです。
文字どおり、右の耳から左の耳に流れていづこともなく去っていきます。
あなたの脳には何も残りません。
知らない言葉は聞き取れません。
何万回聞いてもそれは「ただの音」で意味を持つ言葉にはなりません。
風や車のエンジン音、よくって虫の声といったところでしょうか。
かりに物凄い聞き取りの達人で完璧に虫の声を聞き取り、さらに完璧に虫の声を再現できたところで意味はわからないですね。
外国語学習で最重要事項
- まず、文字をおぼえること
- そして、つぎに単語をおぼえること
この2つが外国語を習得する上でもっとも基本的、かつ重要なことです。
文法はそのあとでいいです。
単語だけでも意味がわかればあるていど全体の意味がわかりますからね。
完璧な日本語の発音とアクセント、イントネーションを身につけた生徒が単語を100しか知らなければ、何も聞き取れないし、何もしゃべれません。
発音はイマイチでも、1000の単語を知っている生徒のほうが、聞き取れるし、しゃべれます。
「がっこう、いく、わたし、きのう」でも意味はわかりますよね😄
ああ、「あなたは昨日学校に行ったのね」って。
超初心者をどう導くか
いまおじさんが悩んでいるところです。
日本語がまったくわからなくて終始、英語で会話していたらまったく日本語の勉強になりません。
かといってまったくわからない日本語をしゃべりつづけても日本語の勉強にはなりません。
聞くだけなら、おじさんの授業を受けるまでもなく、ネットにニュースや映画やドラマ、アニメがごまんと転がっています。
話すのも1人でも話せます。
会話というのはあくまで「相手の話を聞いて理解して、それに対して自分が話す」ものなので、まったく理解できなければそれこそ話になりません。
オウム🐦
一所懸命に話そうとするのはわかるけど、ずっと1人でおなじことをしゃべりつづけている生徒もいます😅
あのオウムの独り言みたいに。
「むかしむかしあるところにおじいさんとおばあさんがいました。おじいさんは…」
それはオンライン授業じゃなくて壁でもいいんじゃないの?
これは会話ではないよね。
まあ、お金払ってくれれば別にいいけど。
この迷える人たちをなんとか文法の正しい道に導きたいのですが、みなさんはどうしていますか?
わたしは日本語教師をしています
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表示名はToshiです。