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「書く」「運動神経」「脳」「覚える」
書くと覚える!
そんなの今さら言われなくても知ってる?
そうですね。
でも、どうして「書く」と「覚える」のでしょうか?
それにはちゃんとした理由があります。
精神論?
むかしからそう言われてるから?
ちがいます。
見ただけは眺めただけ
この記事のアイキャッチには何の画像がありましたか?
_壁に窓がたくさんあったような…
では、窓は横に何枚、縦に何枚ありましたか?
_5~6枚だったかな?
では、鉢植えが置いてあったのは左から何番目、上から何番目の窓でしたか?
_? ? ?
人は見ただけでは細部まで覚えていないのです。
見るのは
この窓の写真とおなじように、
漢字を見ます。
英単語を見ます。
「鬱」
「extraterritoriality」
覚えてるつもりだけど、「景色」を眺めているのといっしょです。
眼球をとおしてはいった映像は、ただの「景色」や「模様」として脳に映っているだけなので、目をそらせばぼんやりとした「イメージ」だけで細部は残りません。
こんな漢字 (感じ? ) だったけど、横棒が2本だったかな? 3本だったかな?
漢字は、縦横に棒が何本か交差してる模様。
英単語は、アルファベットが何コか並んでる。
たとえばよく見るし使うこんな単語
address
見ただけだと、いざ書こうとしたとき、どのアルファベットがダブって使われていたか覚えていないものです。
書く
書くには
たとえば、さきほどの窓の絵をじっさいに書こうとすると横に何枚、縦に何枚か数えなければ書けません。
また、窓にはカーテンがかかっていたり、ブラインドが下りていたり、はたまた窓に何か置いてあったりします。
これらが漢字の線や点の位置、長さ、形、数などに相当します。
英単語ならアルファベットがどのような順番で何コ並んでいるか。
書くときの思考・伝達経路
- まず目が線や点の位置、長さ、形、数などを捉えます。
- 視神経の情報が脳をとおらずにちょくせつ、手の運動神経に行くことはないので、いったん脳に行きます。
- 手を動かして文字の線や点を書くには、一時的な記憶が必要になります。
- 一時的に脳に記憶された位置、長さ、形、数の画像をもとに手を動かします。
- 紙の上に文字の線が現れてくるのを目で確認しながら手を動かします。
このように、「書く」という動作は、「一時的な記憶」が必要であり、それをもとに手の「運動神経」に指令を出して、さらに、そこに現れてくる映像を目で確認しながら、そのフィードバックを脳から手へと送り、線の長さや形を微調整していきます。
そして、自分の肉筆の画像が脳に残ります。
「一時的記憶」→「運動神経」→「フィードバック」→「画像」
これだけの情報伝達やフィードバックがあるので「一時的記憶」は「長期記憶」へと定着していくのです。
手書きでメモをとる
文字や単語だけでなく、「用事」も「書く」ことで忘れにくくなります。
キーボードやスマホの文字入力ではダメです。
キーボードではボタンを「押す」だけで文字が出てしまうのに対して、手で書くということは細部にわたり文字のパーツひとつひとつの長さや形を手と目を連携してコントロールしながら行うので脳の使いかたがまったくちがいます。
そして、印刷された文字や、パソコンやスマホに表示された文字とちがい、自分の肉筆なのでその画像も印象に残ります。
だから、手で書いておくとメモをなくしても自分が書いた文字の画像とともに記憶に残ります。
書かないと忘れる! ~ ワープロ病
ワープロ。
今はパソコンですが、手書きでなくキーボードで打ちこみ、機械に出力させることによって、漢字を見ていても手で書こうとすると書けないことがありますね。
「書く」ことが「記憶」にどれだけ重要であるかを如実に物語っています。
これより説得力のある証拠はないでしょう。
「書くと覚える」の逆を行く、
「書かないと忘れる」です😄
記憶喪失 ~ 忘れたいから忘れる
風化させちゃいけないの? ~ 忘れることも必要
忘れることはどうでもいいこと!~ しかしいくらかの対抗策