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「ある」「ない」「反対語」「あらない? 」「なくない? 」
「ある」の反対は「ない」?
「ある」は動詞。「ない」は形容詞!
反対語の品詞がちがうなんて、ありえないですね!
もちろん正しい日本語です。
「あります」と「ないです」
丁寧形にするとちがいがすぐわかります。
なんで
「ある」には「ます」がついて、
「ない」には「です」がつくんでしょう。
生まれたときから母語として日本語をおぼえた日本人ならだれも不思議に思わないし、悩んだり、まちがえたりする人もいません。
「あるです」「ないます」という人に会ったことがありません😄
でも、日本語を外国語として学ぶ外国人には驚異 (脅威? ) です。
否定形「あらない? 」「なくない? 」「ありません」
古語には「あらず」「なからず」という否定形がちゃんとありました。
「なからず」も分解すると、「なく+あらず」ですが。
ちなみに古語には「なかれ (なく+あれ) 」という「命令形」までありました。
でも、現代語にはどちらも否定形が「なくなって」しまいました。
普通体の「ある」には否定形が「ない」ので、否定するときは「ない」としかいえません。
また、丁寧体では
「あります」のほうには否定形「ありません」があるのに、
「ないです」のほうには否定形がありません。
それもそのはず、もともと「ない」が否定なのだから。
英語で「not not」といわないのとおなじです。
ややこしいことに「ない」は形容詞であると同時に、
みなさんよくご存知のように、ほかの言葉を否定する「助動詞」としての顔も持っています。
「行く」→「行かない」
「美しい」→「美しくない」
「静かだ」→「静かじゃない (静かではない) 」
だから、むりやりつくれば「なくないです」です😄
じゃあ「あるんだね」ということで、ふつうは「なくない」とはいいません。
ふざけて言うか、もったいぶった「ないことはない」とか「ないこともない」とかといういいかたです。
素直に「ある」といわず、この言いかたをするときは、「ある」ことを認めたくないか、相手に知られたくないか、相手の言うことを認めるのが「癪な」ときです。
「チーズ食べる? 」
「食べないことはない」
といったら、「チーズがあまり好きじゃない」ということを意味しています。
過去形「ありました」「なかったです」
「あります」のほうは「ます」が過去形になって「ました」
「ないです」のほうは「です」はそのまま変化せず、「ない」が「なかった」に変化しています。
「ないでした」とはいわないんですね。
かなり、難易度が高いです。
われわれ日本人にはどうということは「ないです」けどね。
それは文法で考えているのではなく、オギャーと生まれたときからまわりの大人が「そのように」話していて、それをそのまま覚えたからです。
だれも「動詞」だからどう変化するとか、「形容詞」だからどう変化するとか考えてしゃべっていません。
それを考えていたら、しゃべるのにとても時間がかかってしまいます。
そして、しょっちゅうまちがえます。
過去形の否定形「ありませんでした! 」
さらに「ありました」の否定形は「ありませんでした」
「ます形」なのに、さらに後ろに「です形」がくっついてます。
「なかったです」の否定形はないです!
「ないでした」とか「なかったでした」とか「なくなかったです」とかいいませんね。
「あります」を変化させるのに、「ありました」は「ます」が過去形になっているのでわかりますが、過去形の否定形 (否定形の過去形? ) では、「ます」を否定形の「ません」にして、うしろに「です」の過去形「でした」をつけなければなりません。
さらに「ございませんでした」も覚えなければならない。
メチャクチャむずかしい言語をわれわれ日本人は使いこなしているんです✌
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