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「仏」「ほとけ」
仏にまつわる言葉を集めてみました。
仏 (ほとけ)
そもそもこの「ほとけ」という言葉が謎です。
いかにも日本語、やまとことばという顔つきですが、ブッダは外国人だし仏教が日本に伝わったのは西暦500年ころです。
つまりそれまで日本には「仏」という言葉はもちろん概念もなかったんです。
外来語なので「音読み (漢読み) 」のみで「訓読み (やまとことば) 」はないはずです。
でも、音読みが「ブツ」で、訓読みが「ほとけ」になっています
現在では「ほとけ」というと「死んだ人」というような意味でもつかわれますが、もともとの日本語ではありません。
旧字体では「佛」
仏教の祖ガウタマ・シッダールタ (ゴータマ・シッダッタ) をブッダといいます。
サンスクリット語で buddha を中国の坊さんが漢字にして「佛陀」と書くことにしました。
いわゆる当て字で、夜露死苦とおなじレベルです
佛
この漢字自体は「はっきりしない姿」という意味ですが、「ブツ」という音を当てただけなので漢字の意味は関係ありません。
「仏」は略字です。
出典:wiktionary
「ほとけ」の語源
デジタル大辞泉:
「ぶつ」の音が「ほと」に変わり、目に見える形の意の「け」がついた。
仏の形、仏像の意。wiktionary:
buddhaの音に当てた「浮屠」(ふと)または「仏図」(ふっと)に、「儒家」等に見られる、学派・一派を意味する「家」を添えた、「浮屠家」「仏図家」がなまったものとの説がある。
語源はたぶんそうじゃないかな~と現代人が考えたもので、はっきりしないものが多いです。
buddha (ブッダ)
buddha とはサンスクリット語で「目覚めた人」という意味です。
なので「覚者 (かくしゃ) 」ともいいます。
人々は起きて自分で考え自分の意志で行動しているつもりだけど、じつは自動実行プログラムで動いているロボットかアンドロイドみたいなもの。
その状態を仏教では「まどろんでいる」と表現します。
「無明 (むみょう) 」といい、人々は「何もわかっていない」のです。
そこで真理に目覚めることを bodhi (菩提 ぼだい) といい、目覚めた人を buddha といいます。
一般名詞なんだけど、しだいにガウタマ・シッダールタの代名詞としてつかわれるようになり定着しました。
「悟る」「悟りを開く」はとくべつなことのようですが意味は「目覚める」「真理に気がつく」ということです。
やっぱり特別か
仏の顔も三度
ブッダの遊行中に故郷のサーキヤ国は、隣国のコーサラ国に滅ぼされてしまいます。
ブッダはコーサラ国が自分の生まれ故郷のサーキヤ国に攻め入ると聞いて、「どうか私の国を攻めないでください」と頼みました。
一度、そして二度はブッダの願いを聞いて引き返したコーサラのヴィドゥーダバ王でしたが、三度目にはブッダが止めるのを押し切ってサーキヤ国を滅ぼしてしまいました。
これが「仏の顔も三度」のほんとの意味です。
諸説あり
知らぬが仏
これはここに書くまでもないけど、たとえば崖っぷちを歩いていても見えなければ怖くないというようなことですね。
人は知りすぎないほうが幸せなのかもしれません。
なんまいだー
南無阿弥陀仏 (なむあみだぶつ)
おもに浄土宗での念仏です。
「南無」は「あなたにすべて委ねます」「頼りにします」というような意味です。
「帰依 (きえ) する」ともいいます。
阿弥陀仏は阿弥陀如来ともいいます。
また省略して弥陀仏とも。
これもサンスクリット語の音写です。
Amitābha アミターバ。無量光仏。量(はかり)しれない光を持つ者
Amitāyus アミターユス。無量寿仏。量りしれない寿命を持つ者
むかしの人は文字は読めないし聞いたことのない謎の言葉は自分の知っている言葉と照合して近いものを当てます。
いわゆる空耳ですね。
だから「なむあみだぶつ」という念仏を聞くと「何枚だ~」と聞こえるんです
他力本願 (たりきほんがん)
自分で何もしないで人にすべて任せて面倒見てもらおう、というあまりよろしくない考えのことをいいます。
しかし本来の仏教の意味はちがいます。
本願というのは、阿弥陀如来の誓願。
願いです。
人々は自力ではどうにもならないところを、仏の力で救ってあげる。
その力を他力といいます。
阿弥陀如来の本願は他力なので、本願他力ともいいます。
いずれにせよ、念仏唱えているだけで行動しなければ何も起きないし、何も変わりません。
ただ自分の力次第で何でもできるというのも勘違いです。
できることしかできない。
できないことはできない。
でも寝っ転がっていても外からウサギが飛びこんでくることはない
はいってくるのはネズミかカメムシ
というのが現実です。
南無妙法蓮華経 (なむみょうほうれんげきょう)
なん、みょー、ほー、れん、げっ、きょー
こちらはその名も法華宗。
最澄の天台宗と日蓮宗でつかわれます。
天台宗と日蓮宗。
おなじ法華宗の仲間のはずなのに敵対していたようです。
改宗しないので火を点けることも
妙法蓮華経。
これも略して法華経といいます。
ウグイス
ホー、ホケキョー
じっさいにはそんな鳴き声じゃないけど、これは日本人の中に染みついています。
ウグイスはホーホケキョと鳴くことになっている
ブッポウソウ
鳴き声が仏法僧 (ブッポウソウ) と聞こえるのでそのまま名前にしたという雑なネーミング。

wikipediaより借用
ところがこの鳥の鳴き声は「ゲッゲッゲッ」と、「ブッポウソウ」とはまったくちがう。
あとになってそれは「コノハズク」の鳴き声だということがわかったけど、いまさら名前を変えるわけにもいかずそのままになってしまいました。
まあブッポウソウにしてみれば、人間がつけた名前なんかどうでもいいんだけど
コノハズク

wikipediaより借用
こちらが「ブッポウソウ」の鳴き声の正体。
三宝 (さんぽう)
文字どおり3つの宝。
- 仏 buddha ブッダ
- 法 dharma, dhamma ダルマ。真理
- 僧 saṃgha サンガ。僧伽
この3つの宝に帰依することで仏教徒と認められます。
危険なときに「南無三宝 (なむさんぽう) 」と唱えると助かるとか。
やってみて結果を教えてください
「南無」は「帰依する」という意味でしたね。
わたしは日本語教師をしています
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表示名はToshiです。
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