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「手荒れ」「右手」「右利き」「利き手」
右手だけ荒れる
右利きだから!?
これは皮膚科の先生にじっさいにいわれた言葉です。
でも、なんで右手だけ荒れるんでしょうか?
おじさんは野良仕事をしているので手袋をしていても泥や油で手が汚れますが、両手をつかっているので左手も右手とおなじように汚れます。
でも、左手はめったに荒れません。
曲げ伸ばしがいけない
右手は利き手なので、両手で作業していても、物をつかんだり、強く握りしめたりするのは右手が圧倒的に多いのです。
たとえば金槌で釘を打つとき。
左手は釘を支えるだけですが、右手は思いっきり金槌を握りしめて釘を叩いたときも金槌が飛んでいかないように力を込めています。
このとき皮膚は思いっきり引っ張られています。
だから、関節の外側にひび割れが起きやすいです。
シワがあるところですね。
手荒れというより、物理的に引っ張られることによる「亀裂」です。
そして、亀裂がはいればそこから泥や油などが皮膚の下まではいってくるので、さらに荒れる、治らないという悪循環になります。
両手で作業していても、ドライバーでネジを締めるのは右手です。
あっ、左利きの人は左手が荒れると思います。
右手の負担例
釘を打つ。ドライバーでネジを締める
左手は釘やネジを支えますが、右手はハンマーやドライバーを握りしめ強い力を入れます。
ペットボトルやビンのフタを開ける
これは両手の作業でおなじ力を入れないとどちらかの手が回ってしまいます。
それにもかかわらず右手に負担がかかるのはなぜでしょう?
支えている左手のほうが本体を持っているので外径が大きく関節の曲がり具合も右手より小さくなります。
右手はフタの方を回すので、外径も小さく、つかみにくいのでより大きな力と関節の曲げが必要になります。
この外径が小さくて、つかみにくいというのが問題です。
指先の小さい面積に大きな力がかかります。
モーメントとしては右手も左手もおなじです。
もし左手の力のほうが弱かったら、フタが回らずに本体 (左手) が回ってしまうからです。
世間のトンデモ科学でビンを逆さまにすれば開けやすくなるというのがありますが、もちろんウソです😄
逆さまにするということは要するに利き手の右手で本体を持つということだけど、そうなるとフタを回す力は左手に移動するだけなのでもっと開けにくくなります。
逆さまに持ったビンをそのまま天地をひっくり返してみてください。
左手がフタを持っているだけのことです。
右手だけの仕事
さらにほとんど右手だけの仕事もあります。
ドアを開ける
ドアノブや取っ手は右手だけで開けます。
左手は完全にお休みしています。
字を書く
左手は紙を軽く抑えるくらいで、ほとんど右手だけがペンを握りしめて、関節を曲げ皮膚を引っ張っています。
コップやボトルを持つ
飲みものを飲むときに両手で持つ人はいません。
右手だけで飲みます。
牛乳を飲むときに腰に手を当てる人もいますが左手には力がはいっていません。
マウス
キーボードは両手をつかうのに、マウスはいつも右手だけです。
箸、スプーン
茶碗は左手で持つこともありますが、やはり大きな物を支えるだけです。
それに比べて右手は細い箸を握り、操らなければなりません。
歯磨き
歯ブラシを握りしめるだけでなく、歯磨き粉も右手を荒らします。
手は洗うな!
これも先生に言われたことです。
たとえばインフルエンザウイルスは喉の上皮細胞に触れてから15分で細胞に取りこまれるといわれています。
もし、うがいで洗い流すのが目的なら15分おきに、いや15分未満の時間ごとにうがいしつづけなければ意味がありません。
授業中もずっとうがいしつづけなければなりません。
1日、学校や会社に行って、家に帰ってきてからうがいしても何の意味もありません。
健康な人の喉は粘膜に守られているので安心してください。
乾燥して粘膜のバリアが破られるとインフルエンザウイルスが侵入してきます。
うがいしすぎるとかえって喉の粘膜のバリアをなくして、感染しやすくなってしまいます。
手洗いして表面についた雑菌はいくらか洗い流したとしても、身の回りにはありとあらゆるところに菌やウイルスがあります。
まず、手を洗って蛇口を閉めた段階でアウト!蛇口にどれだけの人が触っているのか?
ハンカチで手を拭く。アウト!1回でも手を拭いたハンカチにどれだけの菌が繁殖しているのか?
温風乾燥機。アウト!乾燥機の中の菌があなたの手に撒きちらされます。
トイレから出るのに扉を開ける。アウト!
手洗いしてその状態を保ちたいなら、そのあとどこにも触ってはいけません。
椅子に座るときに背もたれをつかんで引いてはいけません。
座ったらこんどは椅子の下を持って前に移動する。ダメです。
さあ、仕事!
パソコンを開いて、ブー。
キーボードを叩いて、ブー。
電話が鳴りました。電話を持って、ブー。
メモを取ります。ペンを持って、ブー。
ああ、それから空気中には菌やウイルスがウジャウジャ漂っているので息をしてもいけません。
もう生きていけません。
ちなみにおじさんは潔癖症でありません。
こういうことを知っているから手洗いに意味がないことを知っているし、どこでも触ります。
水は手を荒らす
水は人間はいうにおよばず、地球上のありとあらゆる生命に不可欠です。
栄養や血液、体液などすべて水に溶かして、水を媒体にして体を維持しているからです。
だから、水がなくなると死にますね。
乾燥させれば雑菌やカビを防げるのもそのためです。
でも、ほとんどのものを溶かしてイオン化する水というのは、見方を変えればとてつもない脅威であり、刺激物です。
金属さえ溶かしてしまうし、鉄の釘や鍋など乾いているより、濡れているほうが「錆びる (酸化する) 」ということはみなさん経験的に知っているでしょう。
変ですね。
体の中は90%水でできているのに。
ただ、体の内部で水に満たされて蒸発しない場所と、体の外で空気に触れて蒸発するところでは状況がちがいます。
石鹸、洗剤はもってのほか
石鹸、洗剤は油汚れを落とすものですが、油が落ちるということは、皮膚の油も落とします。
「お皿はきれいになってお肌は守る」なんて洗剤が喧伝されていますがウソです。
はっきりいって詐欺です。
もしかりにお肌を守るなら、食器についた油汚れも守ってしまって、汚れの落ちない洗剤になってしまいます。
最近はアルコール消毒などというものがもてはやされていますが、もってのほかです。
ガソリンで手を洗うのとおなじです。
アルコールで拭いた瞬間、菌は除去できるかも知れないけど、この世は菌であふれています。
またすぐ手は菌だらけになります。
でも、それで人間は何百万年も生きてきたのです。
それより手荒れのほうが問題です。
意外とお湯のほうが荒れる
冷たい水や空気で皮膚が縮んでひび割れするのも事実です。
でも、お湯をつかうと皮膚が緩んで毛穴も開いて、油分が出ていきます。
だからお風呂にはいると汚れが取れるのですが、必要な油分も取られてしまいます。
煮る、炊く。
温度が高いほど化学的変化が起きやすいのは周知のとおりです。
出汁を取るのに煮るでしょう。
人間もお湯に浸かれば出汁が出ていきます。
水仕事はゴム手袋をする
とくに洗剤をつかって食器を洗うのはいちばん手が荒れる原因です。
かならずゴム手袋をしましょう。
ゴム手袋を直接するとゴム手袋じたいが菌の培養所になってかえってよくないのでかならず綿手袋をします。
そして、綿手袋をこまめに洗います。
靴をじかに履かないで、靴下を履くのとおなじ理屈です。
手を洗うのは
雑菌を洗い流すためではなく、泥や油などで汚れたときだけです。
ガソリンや灯油がついたときもそうです。
こういう汚れがついていると衛生上の問題ではなく、物理的に手を荒らします。
手荒れの原因となる異物 (菌ではありません) は取り除いて、すぐ拭いてハンドクリームを塗りましょう。
ハンドクリーム
塗るタイミング
手が濡れたら乾いたタオルで拭いてすぐ塗る。
その都度です。
1日何回ではなく、濡れたらすぐ拭く→すぐ塗る。
自然乾燥は手を荒らします。
これも衛生上の問題ではなく、手が荒れるのですぐ拭きましょう。
手だけでなく体も乾燥肌で荒れやすい人は、風呂上がりは水分を拭き取ったら保湿クリームを全身に塗りましょう。
ステロイド剤
これは個人差もあり症状にもよるのでそれこそお医者さんに行ってください。
おじさんの場合はステロイド剤は効果がありません。
それよりも保湿をしたほうがいくらかでもいいです。
濡らさない。
濡れたら拭く。
乾燥させない。
保湿クリームを塗る。
です。
ばんそうこう
おじさんはひび割れしたらばんそうこうを貼ります。
ばんそうこうには消毒効果も、治す効果もありません。
ただ、患部を「カバー」してくれます。
保湿と汚れ防止
カバーすることで「保湿」と「汚れ防止」をしてくれます。
乾燥するとひび割れしやすいし、治りかけても指を曲げるとまたピッと口が開いてしまいます。
乾燥しているといつまで経っても傷がくっついてくれません。
ばんそうこうでカバーして保湿すると皮膚が柔らかくなり伸び縮みもしやすくなるので曲げたときに引っ張られずに口がふさがります。
また、ばんそうこうをしてることで指を曲げにくくなるので、くっつきかけたひび割れを開かない効果もあります。
それから、泥や油などが皮膚の表面についたり、ひび割れの中にはいっていくこともあるていど防げます。
ただ、貼りっぱなしはそれこそ衛生上よくないので、ときどき剥がして、洗って、拭いて、ハンドクリームを塗ってからまた貼りましょう。
洗うときも石鹸や洗剤はつかわずに、水だけで軽く汚れを落とすくらい。
ゴシゴシ洗えば逆効果。
ハンドクリームを塗ってすぐだとばんそうこうが剥がれてしまうので、すこしだけ時間をおいて乾かしてから貼りましょう。
その他の対策
できるだけ水に素手で触らないこと。
濡れたらすぐ拭いて、保湿クリームを塗る。
できるなら汚れ仕事をしない。
これは、生きるために仕事をしているとなかなかむずかしいので、できればです。
野良仕事をしているのに「わたしは手が荒れるので仕事をしません!」と言ってたらすぐ首になります💦
できるだけ左手をつかう!
右利きの人は無意識に右手をつかっていますが、意識して片手でできることは左手をつかいます。
食事をするときに左手で箸をつかうまでしなくてもいいです。
ちょっと物を持つときとか、戸の開け閉めとか、日常の些細なことに「左手、左手」と唱えます。