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「カタカナ英語」「発音」「まちがい」「混同」
カタカナ英語の発音
catを「キャット」と書いたり、読んだりするのは、ちがう言語を表記して発音するのだからしかたありません。
アイヌ語の表記で「ト゜」で「t (トゥ) 」と発音するものがありますが超マイナーで定着していません。
theやthisのthの音は日本にないので書きようがありません。
でも、thの音がないのは日本だけではなく、ドイツ語、フランス語もおなじです。
だからフランス人はzatと発音します。
日本人といっしょですね。
これは日本語と英語だけの問題ではなく、すべての言語間において起こることです。
このような「そもそも存在しない発音」とか「微妙なちがい」はここでは問題にしません。
なのでここで書くカタカナもあくまでそれに近い音でしかないことはご了承ください。
先にはいって定着していた言葉との混同
toe トウ
爪先。
トウです。
これは強大な先輩がいるのでしょっちゅう「トゥ」と書かれたり、読まれたりします。
to, two
「~へ」のtoと、「2」のtwo。
「トウ」と書かれていても、「トゥ」と読んだり、校正者がかってに「トゥ」に書き換えてしまうこともあるのでしょう。
toe 爪先を意味することば
toe shoes トウ・シューズ
バレエダンサーが履く「爪先に硬い部分がある」靴です。
これはわりと定着してるかな。
toe kick トウ・キック
爪先の蹴りです。
トゥー・キックという表記をよく見ます。
トーキックが一般的な表記のようです。
heel and toe ヒール・アンド・トウ
「踵と爪先」という意味です。
車のスポーツ走行で、爪先でブレーキ、踵でアクセルペダルを踏むテクニックです。
「トウ」が「爪先」であることを理解してない人がほとんどなのでかなりの確率で「ヒール・アンド・トゥ」と書かれてしまいます。
career カリア
いわゆる「キャリア」です。
「経歴」「職業」をさします。
これは先にはいっていたこの言葉と綴りが似ていたので「キャリア」と読んでしまったんですね。
carrier「物を運ぶ人、物」
こちらは紛れもなく「キャリア」です。
電気通信業者も「電波を運ぶので」キャリアです。
あとになって「カリア」だとわかっても、「キャリア」で定着してしまったのでいまさら変えるのもめんどうなので変わりません。
そもそも、「経歴」「職業」でいいと思うんですが。
「キャリアウーマン」などとカタカナ英語 (その他の外国語) がカッコイイという日本人の意識がこういうものをはびこらせているんですね。
「職業婦人」でいいです。
careerwomanはいちおう英語のようですが、ウィキペディアでは1970年代からつかわれるようになったとあります。
むしろ現代では男女ということ自体が差別と言われるようになっているのでこれも過去の言葉になっています。
chairman (議長) がchairpersonに言い換えられるように。
manには「男」だけでなく「男女ひっくるめて人」という意味があるのでそこまで目くじら立てなくてもいいのではないかと思いますが。
cage ケージ
「鳥かご」「檻 (オリ) 」です。
もうすこしこだわるなら「ケイジ」。
犬や猫を入れるものも「ケイジ」ですが、「ゲージ」と書かれたり呼ばれたりします。
それはこの言葉のせいです。
gauge ゲージ
「標準寸法」「規格」「計量器」などをさします。
「ケージ」はむかしは使われていませんでした。
そのまま「鳥かご」「オリ」と呼ばれていました。
家族のようなワンちゃん、ネコちゃんに「オリ」は抵抗があるので、英語のcage (ケージ) をつかうようになったけど、英語の母語話者にしてみればほかに言いかたはないので「オリ」と言ってるにすぎません。
ラリーやダートラをやってる人は車に「ロールゲージ」という、車が転がっても車体がつぶれずに搭乗者を守る鳥かごのようなものをつけますが、これも「ロールケージ」です。
chock チョック
「くさび」「輪止め」のことです。
飛行機の世界でよくつかわれます。
100%「チョーク」と呼ばれます。
パイロットくらい「チョック」と言ってほしいです。
それか「輪止め」でいいです。
それは説明するまでもなくこのせい
chalk チョーク
むかしは「白墨 (はくぼく) 」なんていいました。
choke チョーク
厳密には「チョウク」です。
とくに首を絞めて「窒息」という意味です。
プロレスの技でチョーク・スリーパーなんていうのがありますね。
むかしの車には「チョーク」というノブが付いていてエンジンを始動するときに引っ張りました。
その名のとおり空気の取入口をふさぐ装置で、空気が吸えないので代わりに濃い燃料を吸い込み、始動しやすくします。
いまでも、草刈り機や、チェーンソーなどにはついています。
partition パーティション
仕切り
物理的なものもあるし、コンピュータのハードディスクにもつかいます。
よくあるのが「パーテーション」
google日本語入力で候補が出てくる始末。
出さなきゃちがうとわかるのに。
「パーティション」を「パーテイション」と思いこんで、さらに「パーテーション」にしてしまったようです。
「ローテーション」とか「オリエンテーション」などという先輩がいたので顰に倣った (ひそみにならった) んですね。
そもそも「パーティション」なんて言葉をつかわないで、「仕切り」「間仕切り」「区切り」「分割」「区分」などの言葉をつかえばいいじゃないですか。
知ったかぶりで訳のわからない言葉をつかうより、日本語にあるなら日本語をつかいましょう。
カッコつけたつもりで、かえってカッコ悪い。
まあ、「分割」「区分」は日本語ではなく中国語ですけどね😅
わからんカタカナ英語をつかうよりいいと思います。
濁点の曖昧さ
これは挙げればキリがないです。
relaxation リラクセーション。濁りません。なぜかリラクゼーションといわれています。
exhibition エキシビション。エキジビジョンといわれます。
exhaust エグゾースト。両方濁ります。エキゾーストといわれています。
とくに「x」の発音に多いですね。
ほかの似た言葉、派生語と混同
presenter プレゼンター
賞の贈呈者。
ずっとプレゼンテーターといわれてきました。
近年、ようやくプレゼンターに修正されてきました。
日本国内だけならまちがいでもいいけど、海外の授賞式やメディアとかち合うことが多くなって修正せざるを得なくなったのでしょう。
この原因は
commentator コメンテーター
ああでもないこうでもないというだけの批評家です。
presentation プレゼンテーション
贈呈。授与。
これはまちがってもしかたないかなという気がします。
おなじpresentからできた言葉なのに作りかたがすこしちがいます。
現在はプレゼンとしてよくつかわれます。
「発表」「披露」でいいと思います。
augment オーグメント
音楽でつかわれます。
もともと長音程や完全5度のものをさらに半音上げるときに日本語では「増 (ぞう) 」といいます。
長3度→増3度。
完全5度→増5度。
英語では augmented fifth ですが、日本では「オーギュメント」と言われます。
この「ュ」はどこから出てきたのでしょう?
ちゃんとした音楽の先生でさえオーギュメントといいます😅
argument アーギュメント
考えられるのがこれ。
議論、論争、口論、口喧嘩。
もとの動詞は argue アーギュー。
ただ argument なんて単語を知ってる人はほとんどいないと思うし、アーギュメントも日本語として定着していません。
反対語として diminished (ディミニッシュト) があり、こちらは半音下がり、日本語では「減 (げん) 」といいます。
よくつかわれるのが「減七 (げんしち) 」diminished seventh です。
augmented は、B+ のように「+」で、
diminished は、B- あるいは B○ で表されます。
一般的にはそのまま Baug, Bdim のように表されます。
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