ドイツ語の発音 ~ おじさんバージョン

pronunciation deutsch ドイツ語の発音

「ドイツ語」「発音」

ドイツ語の発音

ドイツ語はほぼ「ローマ字読み」です。
「ローマ字読み」というとよくバカにされるけど、ヨーロッパの言葉は基本的に「ローマ字読み」です。

ヨーロッパの言葉は1つの文字につき1つの読みかたがふつうです。

むしろ英語の発音のほうがおかしいんです。
英語のように「 a 」を「ア」と「エイ」と2通りに発音する国を他に知りません。

一言でネイティブといっても地域、個人差がある

でも、ドイツ語にも癖があります。
地域差も、個人差もあります。
これもどこの国の言葉 (もちろん日本も) でも一人ひとり発音がちがうのでネイティブでも発音記号どおりには読まない人のほうが多いくらいです。

あくまでおじさんがデュオリンゴ (ドゥオリンゴ) で聞いたドイツ語の癖を取り出してみます。

またバグなのか、発音している人が悪いのか、あきらかにまったくちがう発音をしていることもあります。
議論の的になっていますが、しょせん無料のアプリなのであまり目くじらを立てずに聞き流しましょう。

母音

> e→i エ→イ

lese レーゼ→リーゼ
lesen レーゼン→リーゼン
sehen ゼーエン→ズィーン
geben ゲーベン→ギーベン

この系統はとても聞き取りにくいです。
gebenが「*イーベン」と聞こえるので、「リーベン (lieben) ?」と思ってしまいます。
何回聞いてもわかりません。
むしろ英語のgive (ギブ) に近い発音です。

trinken トリンケン→トリンキン
den デン→ディン
der デア→ディア
jeder イェーダー→イーダー
zehn ツェーン→ツィーン

leben (生きる)  レーベン→リーベン
lieben  (愛する) リーベンとおなじ発音になってしまいます。

> er

基本は英語とおなじ曖昧な「アー」です。

Bayern バイアン
日本ではバイエルンとして通っています。
でも、現地の発音はバイアンです。
しかも、英語名は Bavaria ババリアです。

「エ」

der デ

「イャ」

aber アビャー
der ディア

> e→a

ほとんど「ア」に聞こえる。
sprechen シュプラッヒェン

> o→a

口の開きが大きいと、母音はみんな「ア」になる。
komme カム。kommt カムト

> o→u (ウー) 

逆に口を狭めると「ウ」になる。
Obst ウースト
oder ウダー
ohne ウーネ

> u→o

und オン
Durst ドア
Jung ヨング

> u→a

Hunger ハンガー。フンガーとは聞こえない。

> i→e イ→エ

isst イスト→エスト
Pizza ペッツァ
Fische フェシェ、フシェ

Umlaut ウムラウト

ウムラウト (変音) 

母音の上についてる点々「 ¨ 」 

ドイツ語では、もとの母音の口の形のまま「エ」と発音するということになってます。
でも、じっさいにはそのように発音していません。

その法則ならば「 ä 」は「エ」に近い音に聞こえるはずなのに、むしろ「イ」に聞こえます。

> ä→i

Käse キーゼ
Bären ビーレン
Käfer キーファー
Mädchen メットヒェン→ミーチェン

> ä→u

Gläser グルーザー l (エル) が歯茎音が舌が歯茎に張りついているからだろうか?

> ö→u (ユー) 

Mögen ミューゲン、ムーゲン
Vögel フューゲル
これも、教科書どおりなら「フェーゲル」だけど「フューゲル」といってます。

文豪ゲーテも綴りはGötheです。

現在はゲーテが定着していますがむかしは「グーテ」「ギョエテ」などの表記もありました。
どちらかというと「グーテ」のほうが原音にちかいのでは?

> ü→i

puckered lips (すぼめた口。おちょぼ口) で、「i」という。
y (ギリシャのイ) の発音に近い。

二重母音

> ei→a

Wein ヴァン

> ie→i

die ディ

> eu→ai

euはoiと発音するはずだが「アイ」という人も。

Zeug ツァイク→ツォイク
heute ホイテ→ハイテ

この辺はイギリスのコクニーを思い浮かべます。

オードリー・ヘップバーンが「アイ」と言ってたのを思い出します。

> äu→ai

euはoiになるはずだがじっさいには「アイ」と言ってる。
Mäuse マイゼ
Häuser ハイザー

> ee→i:

Kaffee カフィー
Tee ティー
Erdbeere エフトビーレ

> an→on

Orange オロンジェ

そもそも「g」は「グ」なので「オランゲ」のはずですが「ジェ」になっています。
英語の発音から来ているのでしょうか?

無声化

> e→無声化

essen エスン
verstehen ファシュテーエン、フシュテーエン
andere アンダレ
kuchen クーフン。クーヘンだと思ってると聞き取れません。「フ」も日本語の「ふ」ではないので注意!

語尾のeは英語とおなじように無声化する傾向にあります。
人は怠け者なので💦

brauche ブラウハ

子音

> ch ヒでない。

「チ」

Mädchen メットヒェン→ミーチェン
manche マンヒェ→マンチェ

「シ」

Bücher ビュッヒャー→ビューシャー、ビュージャー
Küche キューシェ
Welche ヴェルヒェ→ヴェルシェ

> h→k

Hans ハンスがカンスに聞こえる。
これは、舌の奥が口蓋に接近して”h”が”k”に近い音になるのでしょう。

> l→i

toll トル→トイ

「l (エル) 」は日本語のラ行の「弾き音」とちがい、舌先を上の歯茎の裏側に押しつけたままなので「ル」よりは「イ」に聞こえます。

ただ、そう聞こえるだけで、自分が発音するときは「イ」ではなく、舌先を上の歯茎の裏側に押しつけましょう。

聞き分けにくい音

> Wir, Sie (わたしたちと、かれら) 

ヴィーアだが、早口だとヴィーになってしまうのでズィーに聞こえる。動詞の活用も同じなので区別できない。

聞こえにくい音。とくに無声子音全般

> t

kommt コム。kommt aus だと、コムダウスとtの音が聞き取りやすくなる。ゆっくりだとかえってtの音が聞こえない。

特殊な音「r」

> r  (フ、ク、グ、無声化)

「 r 」はフランス語やポルトガル語でもあるように「口蓋垂音」になりがちです。
なので、どちらかというと「ハ行」さらには「カ行」に近い音になります。
口を大きく開ける「ハ」ではなく、手を温めるときに出す「ハー」です。

「a」「u」のあとの「ch」もほぼ同じ音です。

舌の奥をのどちんこに当てて震わせる音です。
カンタンにいうと「うがい」の音です。
ちょっとまちがえると「痰を吐く」音になるので気をつけましょう! 

デュオリンゴにも、「gargling (うがい) 」または「purring (ネコが喉をゴロゴロ鳴らす) 」音、さらには「before spitting (ツバを吐く前の音) 」と書いてあります💦

口蓋垂音

Erdbeere エフトビーア
Europa オイゴーパー

無声化

der デ
Bayern バイエン
Bären ビーフン
Kartoffel カトーフェル
Frau ファウ、ハウ
Brot ボート
groß コース、オース

有声化

> j 「ヤ」のはずだが「ジャ」と発音することも。

Julia ユリア、ジュリア
ja ヤ、ジャ
jeden イェーデン、ジェーデン
jetzt イェツト゜→ジェツト゜

スペイン語では「ヤ行」が「ジャ行」に変わってしまっています。
もともと「 j 」の音は「 i 」が子音化したもので、文字が似ているのは偶然ではありません。
「 i 」の先をちょっと曲げて作ったんですね。
だから、英語を習ったときになんで発音記号の[  j  ]で「ヤ」と発音するのか不思議に思いませんでしたか? 
むしろ「 j 」を「ジャ」と発音するほうが邪道 (じゃどう) なんです。

さっちゃん
ちぇっ! ダジャレかよ😄

無声化

> g→無声化

Orangen オハネン
ちゃんとオランジェンと発音する人もいます。
むしろ、オロンジェンに近いかも。
本来なら「オランゲン」のはずですが。

langsam ランクサム
ラングザムと発音する人もいます。

> w「ヴェ」のはずだが、「ウェ」になることも。

schwer シュウェア。もちろん、シュヴェアとちゃんと発音する人もいます。
Antwort アントゥワートゥ。辞書にはアントゥヴォルトゥとあります。

厳密には「ウ」も有声音ですが、ドイツ語では「有声音」と「無声音」の区別はあまり重要ではないようです。

前の音に引きずられる。連続する似た子音の同音化

ich habe イヒャーベ、イハベ

とくにtとdはくっつく。
これは英語もおなじですね。

ist das イスダス
bist der ビスデ、ビステ

有声化 (連濁) 

es ist エズィスト
als ich アルズィッヒ

無声化

isst die イスティ

特殊な発音

外来語

Cousin クザン

複数形 Cousine クズィーネ

英語のcousinです。
まあ英語のカズンも英語らしからぬ発音ですが。
フランス語からの外来語のため発音もフランス風なんですね。

Museum ムゼアム

英語のミュージアム、フランス語のミュゼウムから輸入したと思われます。
ドイツ語ではふつう「eu」は「オイ」と発音しますが、ここでは「エア」と発音しています。

複数形 Museen ムゼアン

Universität ウニヴェルズィテート゜

「ト゜」は「t (トゥ) 」です。

英語のuniversity (大学) です。
ドイツ語ではふつう「v」は「フ」と発音するのに、ここでは「ヴ」になっています。

Visum ヴィーズム

Visaです。
これも「v」を英語のように「ヴ」と発音しています。
ややこしいことに、複数形はVisaです。
英語の複数形はVisasです。

Tourismus ト゜ーリスムス

見たとおり英語のtourism (ツーリズム) です。
観光 (旅行) 
複数形はありません。

Job ジョブ

いわずとしれた英語のジョブです。
ドイツ語にはちゃんとArbeitという単語があります。
日本語にもなってしまっているアルバイトです。
にもかかわらず英語をつかうんですね。
われわれ日本人は両方つかっています💦

ゲルマン語

ドイツ語と英語はゲルマン語を親とする兄弟ですが、後世、英語やフランス語から借りてきた「外来語」がけっこうあります。

interessant (インテレサント) やRestaurant (ヘストホン) もフランス語ですね。

英語とゲルマン語 (ドイツ語) の関係

er

「エル」より「エア」と発音する人が多いです。
また、語末では「アー」になります。
これは英語とおなじですね。

例:) 

Vater ファーター
Kinder キンダー

lebeとliebe (生きると愛する) 

lebe<leben (生きる。=英 live) 

liebe<lieben (愛する。=英 love) 

ドイツ語は基本的にローマ字読みですが、しばしば母音が変化します。
個人差もあるし、地域差もあります。
日本人だって「あ」1つとっても「え」に近い人と、「お」に近い人がいます。

lebeは辞書の発音記号では「レーベ」なんですが、じっさいは「リーベ」と発音する傾向があるようです。

liebe (リーベ。愛する) とおなじ発音です。

ちなみに英語と比較するとわかるけど、英語ではbがvになっていますね。
英語のほうが訛ってるんですよ!

日本人が英語を習うときにこの「v」が厄介者ですが、ヨーロッパでは「b」で発音するところも多い。
ていうか「v」の音はフランス語とそれを押しつけられた英語特有の音といってもいいでしょうか。

ラテン語にはそもそも「v (ヴ) 」の音はありません。
「u (ウ) 」です。

じっさいに聞こえる音。いろいろ

Frauen フローン
Hunger フウンギャー
上ではハンガーと書きました。人によってずいぶん発音がちがいます。

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