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「複数形」「友達」「子供」
日本語に複数形はない?
ないです。
でも、知らずにつかっていてもとの意味が消えてしまったものがあります。
ほんらい複数を表すもの
等 (ら)
我等 (われら) 、奴等 (やつら) 、僕等 (ぼくら) 、彼等 (かれら) など
これら (此れ等) はいまでも複数の意味を持っています。
ただし、古くさくて日常会話ではつかいませんね。
お前等 (おまえら) 、彼奴等 (あいつら<あやつら) はつかいますね。
友達 (ともだち)
「達 (たち) 」は複数を表します。
「友 (とも) 」が複数いて「友達 (ともたち) 」です。
でもつかわれるうちに「複数」の意味が消えてしまい、1人でも「友達」というようになりました。
「おかあさん、友達連れてきた」
「えっ?1人しかいないじゃないの!」
っていうおかあさんはいません=^^=
そのうち「友達たち」といういいかたがつかわれるようになるかもしれません。
えっ?もうつかわれてる?
とも
ちなみに「友 (とも) 」はつぎに書く「供 (とも) 」や「共 (とも) 」と語源はおなじです。
やまとことばでは「とも」という1つの言葉だったのですが、漢字がはいってきて意味を細かく分けてそれに当てる漢字も区別するようになっていきました。
日本人は自分で漢字をこまかく割り当てていって「これはどの漢字を使うの?」という病に冒されてしまいました。
もとは1つのやまとことばです。
すべてひらがなで書けばこの問題は解決します。
子供 (こども)
「供 (とも) 」はほんらい「いっしょに」「連れ添うもの」あるいは「付き従うもの」という意味で「複数」を表しました。
桃太郎で犬・猿・キジが「お供」するのがそれですね。
「2人以上の子」をさしていたのが、「供」の意味が薄れて、しだいに1人でも「こども」というようになっていきました。
「子供が生まれました」
「双子?」
「いや1人だけど」
「じゃあ、子だろ!」
という人はいません💦
さらに、1人でも「こども」というようになってしまったので、複数を表したいときは「子・供・達 (こどもたち) 」という重複したいいかたになってしまいました。
英語でいったらさしづめchildrensといったところでしょうか。
これはまちがいだからおぼえないでくださいね。
childrenで複数です。
使えば使うほど擦り切れる
それは服も言葉もおなじです。
日常的によくつかわれる言葉ほど、形や発音が変わったり、意味が変わってしまいます。
もともと真っ白だったTシャツが、黄ばんで、穴だらけになっていくように。
短い発音は聞き取りにくいので長いものに置き換えたり、言い換えたりする
「子 (こ) 」は1音でそもそも聞き取りにくいのと、「個」「小」「粉」「戸」「湖」などたくさんの同音異義語があります。
とくに漢字とともにはいってきた音は同音異義語が多いです。
本国の中国では漢字を1字で使うことはあまりなく、とくに名詞の場合は2語の熟語が多いです。
例:)
眼睛 (目) 、耳朵 (耳) 、鼻子 (鼻) 、嘴唇 (唇) など。
漢字輸入国の日本では漢字1字で書きますね。
時代劇で「こらも…」というセリフが出てきて「えっ?」となんのことかわからなかったんだけど、あとで「子等も」だということがわかりました。
また、前後の言葉とくっついてちがう意味に取られてしまったりします。
「子がおった」→「小顔った?」
聞き取りにくいのと、意味の取りちがえが多いので、複合語やべつの言葉に置き換えられたりするようになります。
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