都会に住むか、田舎に住むか ~ 戯れ言

「都会」「田舎」「どっちがいい」

小学校2年まで広島で育ち、小学校2年の夏休みから20歳くらいまで横浜。
その後、北海道、茨城を経て、現在、岡山県北の限界集落に住むおじさんの60年の感想。

都会の利点は田舎の欠点、都会の欠点は田舎の利点というくらい相反しています。
また、それぞれの利点は欠点と表裏一体であることも多いです。
つまり本質的に利点なのでも欠点なのでもなく、あなたがそれをどう捉えるか、感じるかということで利点にも欠点にもなります。

都会

利点

物にあふれ、すべてにおいて選択肢が多い

都会に住みたい人のいちばんの理由がこれでしょう。
いろんな店が軒を並べ、「ないものはない (すべてある) 」というくらいです。

ただ勘違いしてはいけないのは、それはすべて「あなたのもの」ではないということです。
あなたの財布は有限で買える範囲が限られています。
都会には物があふれているのは確かですが、ただそこに「ある」というだけで、「あなたのもの」ではありません。

これは欠点にもなることで、選択肢が多すぎるので探したり、選んだりするのに、時間も労力も余計にかかるというおまけがついてきます。
またもともとあなたが欲しいと思っていなかったものまで、欲しいと思うようになり、すべて手にはいることはないので苦が生まれます😄

公共交通機関が発達している

電車やバスが走っているので自家用車は要りません。
ただその都度、乗車賃がかかりますが。

歩いて買い物に行ける

町中に住んでいれば歩いて買い物に行けます。
スーパーもコンビニもたくさんある。
これまた選択肢もたくさんある。

他人に干渉されない

まわりの人が誰も知らなくても住めます。
自治会費や、祭りや、掃除などの雑用もありません。

これは利点に書いたけど、同時に、あなたのことは誰も興味・関心がなく、あなたが自分からサークルなどに参加しないと知り合いは1人もいなくて、限りなく孤独です。
だからそれがいいという人には利点です。
無人島に住むより、都会のほうが孤独かもしれません。

欠点

人も車も多い

とにかく人も車も多いです。
家は壁と壁がくっついていて、窓を開けると隣の家の窓か壁です。
だから窓があっても開けられない。
いや開けても、涼しい風ははいってきません😅

自家用車はなくても問題ないけど、かりに車を買っても置くところがない。
そもそも人様が住む場所がないのに駐車場のために地面を空けられるわけがない。
駐車場まで電車で3つ先の駅まで行かなきゃいけないなんて馬鹿げています。
しかも家賃より高かったりする😄

いざ乗り出せばどこもかしこも渋滞でちっとも動かない。
おじさんの経験では、都心部では平均時速5~10km/hです。
わかりやすく言うと、1時間車に乗っても、5kmしか移動できないということです😂
人間の徒歩が4~6km/hなので歩いたほうが速いということも冗談ではなくあります。

物価、家賃が高い。なのに狭い😄

とにかく物はたくさんあるけど何でも高いです。
加工品などは田舎でもおなじだけど、何より高いのが土地の値段です。
だから、家賃や駐車場代がとても高いです。

目が飛び出るほど家賃が高いのにワンルームとか4畳半一間とか許せません😄

さらに建物も壁も密集しているので、隣や上の音がうるさいです。
また自分もまわりに気を使って部屋でギターなんか弾けません。

施設が散らばっている

物や施設が多いということは、裏返すととっ散らかってるということです。
スーパーも、病院も、郵便局も、学校もあちこちに散らばっています。
用を足そうとすると、移動距離が長く、あっちこっちに行かなければなりません。

何をするにも並ばなければならない

物はたくさんあっても、何を買うにも並ばなければなりません。
大したものじゃないのにいつどこに行っても行列。

外に出かけて、どこかでお昼でも食べようかと思うと、べつにグルメでもないし、話題の店でもないのに、どこに行ってもかならず人が並んでいます。
よほどまずくなきゃどこでもいいんだけど。
それでも並んでる。

並ぶといえば待機児童の問題。
これも施設より人が多すぎるからです。
言いかたを変えると、人の数に対して施設が足りていないんです。
物はあふれているようだけど、じつは人口に対しては少なすぎるんです。

それはひとたび災害が起きると明確になります。

災害時、原始生活にさらされる

物はたくさんある。
でも
それ以上に人がいる。

だから地震やウイルス騒動などが起きるとすぐ物がなくなります。
いやほんとはあるんだけど買い占めるので店頭から物が消えます。

新型インフルエンザのとき都会ではマスクが消えたけど、岡山ではなくなることはありませんでした。

都会では、水も燃料も食料も充分にあっても、不安に駆られた人が必要以上に買い占めるのでなくなります。
また給水車が来ても、それ以上に人が多いので長蛇の列になります。

公共交通機関が充実してると書いたけど、災害でなくてもちょっとしたトラブルでも動かなくなると駅が難民で埋め尽くされます。
とつじょ何時間も歩いて家に帰らなければならなくなることもあります。

誰にも存在を知られない→孤独

人に干渉されずに住む反面、利点のところにも書いたけど、自分から外に出て人と関わろうとしないと誰もあなたのことを知りません。
誰もあなたに興味がありません。
誰もあなたに関心がありません。
ていうか誰もあなたがそこにいることさえ気がつきません。

無人島のほうがまだましです。
まわりには掃いて捨てるほど人がいるのに、誰もあなたのことを知らないほうが、より孤独感を味わえます。

田舎

だいたい上の都会をひっくり返せば田舎になります。

利点

人と車がすくない

とにかくこれがいいですね。
おじさんは神奈川県の横浜市に20歳くらいまでいましたが、とにかく人が多くて車が多くて、町は狭かったので、人が少なくて広々している田舎に移住したいとずっと思っていました。

ちなみに2022年現在の横浜市の人口は377万人だそうです😮
いま住んでいる市の面積は横浜市の2倍近くありシンガポールより広いのに、人口は5万人を切っています。

渋滞知らず。信号知らず。
おじさんは仕事場まで30分ほどですが、信号は1つしかありません😄

1キロ=1分

田舎ではこの方程式が成り立ちます。
20キロだったら20分で行けると思えばいいです。
時速60キロということは、分速1キロということですね。

1カ所で用が足せる

都会とまったく反対です。
選択肢はないけど、スーパーも、病院も、郵便局も、学校も1カ所にまとまっているので、あっちこっち歩き回らなくても用が足せます。

玄関開けたら林道🏍

おじさんは神奈川にいたときからオフロードバイクに乗っていました。
神奈川も西には丹沢があるのでけっこう山は近かったけど、今は玄関開けたら林道です。
ていうか山の中に住んでるって言ったほうがいいか。

都会に住んでいたときは山が遠いので渋滞した舗装路を走るほうが多く、林道を走るためにキャンプしたということもありました。
今ではまわりが山なので、わざわざキャンプする必要がありません。

キャンプはまたべつの目的や楽しみがありますが、ここに来たらキャンプしたいと思わなくなりました😄

店も病院も混まない、並ばない

選択肢はすくないけど、店も病院も混まないし並ぶことがありません。
都会に住んでいたときは3時間待ちの3分診療なんて言われて、具合が悪いのに待たされているときの苦痛ったらなかったけど、田舎ではそれがありません。

非常勤の医師が多く、曜日が限られるなどの制約がありますが、やはり具合が悪いときに長時間待たされる苦痛がないほうがいいです。

コロナで医療逼迫としきりにテレビやネットで喧伝していますが、ここ岡山ではそれがありません。
むしろコロナ騒ぎ初期のころは、待合室から患者が消えて病院が潰れるのではないかと心配したくらいです。
おじさんは潰瘍性大腸炎のためコロナだろうがなんだろうが病院に行かないはわけにはいきません。
そのときつくづく思いました。
いかに大した病気でもないのに病院に暇つぶしに来てる人が多いのか。
ほんとに大変な病気なら、コロナだろうがなんだろうが病院に行くでしょ?
おじさんのように。

災害に強い

おじさんは岡山に来てから、東日本大震災とかコロナなど迎えましたが、大震災のとき東京などの都会の人たちは地震そのものの被害はないのに、店頭からものが消えるという災害に巻き込まれていましたね。
ていうか人災です。

田舎では物もあまりないけど、それ以上に人がすくないので、買い漁ったり、買い占めたりすることがありません。
さすがにコロナのときはマスクがなくなったけど、それは岡山の人が買い占めたからではなく、もっと製造元に近いほうで買い占めて転売しようとする不貞の輩がいたからです。
買い占めして店頭からなくなったのではなくて、そもそも店にもはいってこなくなっていました。

自給自足

おじさん自身は家庭菜園などやっていませんが、田舎では農業としてではなく家のまわりで野菜を作っている人がけっこう多いので、いざという時には手に入れることもできます。

ただで野菜が手にはいる…こともある

だから、けっこう野菜はもらうことが多いです。
岡山は産地でありながらなかなか高価なので、ブドウ🍇や桃🍑は手が出せないのですが、近所の人にもらうことがあります。

あっ、かならずもらえると思わないでね😄

みんな知り合い

これは人に干渉されたくない人には邪魔かもしれないけど、田舎ではみんな知り合いで、とくに仲よしでなくても会ったら挨拶するような人がいると孤独にさらされることがありません。

おじさんはこれが心地いいです。
これは地域性もあるかもしれないけど、おじさんが今住んでいるところでは生活の細かいことまで口出しはしないけど、祭りや掃除に参加したりして、適度に人と触れ合っているので精神衛生上とてもいいです。

人間ならときには心が萎えることもあるけど、ちょっと挨拶したり、他愛のない世間話をしたりすると気持ちが楽になります。

まわりが顔なじみだと空き巣もはいりにくいです。
空き巣ははいらないけど、ネズミやネコ、ムカデははいってきます😅

ちなみに田舎の人はみんな仲よしとはかぎりません。
これは日本人だけではなく、世界中どこへ行っても人間にはいろんな人がいますから。
もともと地元民なのにまったく付き合いがなく、祭りや掃除に参加しない人もいて、ちょっと意外だったりします💦
念のため。

欠点

車がないと生活できない🚗

公共交通機関はないので車は必須です。
けっして贅沢品ではなく生活必需品です。
あっ、とうぜん免許もね。

だからガソリンが値上がりするととても痛いです。
食料品はもちろんだけど、ガソリンも必需品で減らすわけにはいかない。

店もガソリンスタンドも遠い⛽

渋滞知らず、信号はない、玄関開けたら林道は、そのまま家のまわりには人工の施設がないということを物語っています😅
だから仕事帰りについでに買い物をしたり、ガソリンを入れたりできません。
わざわざちょっとしたまで行って調達しなければなりません。

それでも車で片道15分くらいなら苦になりません。
信号もないし、渋滞もないから。

店・病院・物は選択肢がない

選択肢はありません。
その町・村にあるものを利用するしかありません。
そこにあるものしか買えません😅

ただし現代はネットショッピングがあるのでまったく問題になりません。
また不便な場所だからこそネットショッピングが助かります。
ビールなど重いものを買いに行かなくてすむ。
配達の方、ありがとうございます。
そして辺鄙なところで申し訳ございません🙇

選択肢がなくてもおじさんはグルメでもないしこだわりもないので平気です。
むしろ選択肢がないと、悩むことがありません。

それから田舎の店や職人ってけっこう万屋的で万能だったりします。
いろんな職種の人がいないので否応なしに自分の専門外のことも頼まれたりして、知らぬ間に知識や技術を身に付けていることがあります。
ガス屋さんなのに水道工事もできる、みたいな。

プライバシーがない

みんな知り合いということは、プライバシーがないということですね😄
これが嫌な人は田舎には向きません。

おじさんの家には鍵がありません。
近所の人がガラッと玄関の戸を開けてはいってきます。
そして岡山特産のピオーネや余った赤飯とか持ってきてくれます。

ただ留守中に勝手にはいって人の部屋を物色ということはないですよ…多分。
地域によっては勝手に上がり込むところもあるようなので保証はしません😄

ネズミやムカデが出る

はいってくるのは人間だけではありません。
これは少々、困っています。

ネコ😺

まずここに来て最初にびっくりしたのは、朝ごはんをつくって食べていたら、台所にしっぽが見えるんです。
えっ?
ネコがいる🐈

いやあ玄関も窓も閉まってるのに何で?
玄関の土間の上がり框の下が空いていて出入り自由でした😄
しかしこれではネコだけじゃなくて他のものもはいってくるな。
また床下の湿気で玄関のコンクリートのたたきがビショビショになるので板で塞ぎました。

ネズミ🐭

ここに来て半年くらいしてからネズミが出はじめました。
ネコがはいって来るのに?
ネズミ自体は茨城のアパートでも出たので珍しくなかったけど、大きさがぜんぜんちがう。
茨城にいたのはおそらくハタネズミという小さくてかわいいやつ。
ここに出るのはおそらくクマネズミ🐻🐭

最初はビニル袋がかじられたり、糞💩などの痕跡だったんだけど、あるとき台所で遭遇しました😮
おじさんはそこにネズミがいることはまったく気づいていなかったのでネズミもじっとしてればいいのに、とつぜん動きだしたのでビックリ仰天。
胴体だけで15センチくらいのやつ。
しっぽも入れれば30センチくらい。
子猫か!というくらいの動物が台所で目の前を猛スピードで走り去る!
そのまま冷蔵庫の陰に潜伏。
手がはいらないし見えないので、まわりを叩いたり怒鳴ったりしても出てこない😄

あるときプラスチック製の米びつがかじられたので、これはほっとけないと、粘着シートを米びつのまわりに敷きました。
こんなものに引っかかるわけがない…と思ったらつぎの日かかっていました。
例の胴体だけで15センチくらいある大物。

茅葺きにトタンを被せた古民家なので天井裏があります。
玄関の土間の天井が一部空いていたので板で塞ぎました。
しかしまた玄関と台所の扉の下の巾木のところに新しい穴が空いていました😮
かじって空けたらしいです😅

ネズミと格闘する日々でしたが、なぜか最近は出なくなりました。
食べものは台所でもどこでも置いておけないので、プラスチックの衣装ケースに入れました。
フタはしっかり閉めなくてもさすがにこれを開けることはありません。

ムカデ🐛

これも困りますね。
これは見た目が気持ち悪いより実害があります。
生まれてはじめて噛まれました。
痛いなんてもんじゃない。

シャワーを浴びようと浴室にはいったとき。
とうぜん裸に裸足です。
シャンプーを取ろうと足を出したときにそこにいたようです。
知ってたら踏んでません。
いきなり足の親指をペンチで潰されたような激痛が走って飛び上がりました。
そこに15センチくらいのムカデがいました。
チクッとかガブッっていう感じじゃなくてほんとにペンチで潰されたような激痛です。

毎年、5月ころから蒸し蒸ししてくると出ます。
それも土間とかトイレとか風呂とかジメジメしたところじゃなくて畳の居間兼寝室に出ます。
噂には聞いていた布団の中にはいってくるやつもいます。
さらには居間の天井から降ってくる。
冗談じゃなくてほんとに降ってくるんです。
天井の隙間から出てきたのか、それとも他のところからはいってきて天井を歩いていたら足が滑って落ちたのか。
下は畳だけどけっこう大きな音でパサッていうからすぐわかります😅

カメムシ🐢

このへんではハットウジといいます。

まあこの多さと言ったら異常です。
秋から春先までずっと居座りつづけます。
外に洗濯物は干せません。
一枚一枚よく見て払ってから取り込んでもかならずついてます。

部屋の隅でじっとしていればいてもいいけど、何もしなくても匂いを撒き散らす。
家に帰ってくるとすでにカメムシのアルデヒド臭が充満している。
電球の紐を引っ張ろうとしたらそこにカメムシがしがみついていて握ってしまう。
石鹸で洗おうが、風呂にはいろうが2~3日匂いは取れません。

風呂にはいって寛いでいたらとつぜんプーンとアルデヒド臭が!
あの狭い個室ではたまりません。
もっとひどいのが風呂にお湯を張ってさあはいろうとしたら、風呂でカメムシが泳いでること。
もうその風呂にははいれません。
おじさんは潔癖症ではありません。
ただその強烈な匂いといったら経験した人しかわからないでしょうね。

臭いというより、じっさいアルデヒドは目や喉を刺激します。
目はヒリヒリするし、喉は痛くてむせます。
科学の実験のときにつかった硫酸とか塩酸みたいな感じです。

台所で洗い物をしようとして蛇口をひねろうとしたら蛇口に止まっている。
なんでそこに?

むすび

表裏一体。好きずき

このように都会と田舎はだいたい相反するのですが、それぞれにおいても利点と欠点は表裏一体で最終的には「人の好きずき」ということです。
都会がいいのでもなく、田舎がいいのでもなく、あなたが何が好きで何が嫌いか、何を求めて、何をしたいかということに尽きます。

何かを取れば、何かを捨てなければならない

何もかも自分の都合のいいように手にすることはできません。
何かを手にすれば、かならず何かを捨てなければなりません。

たとえば人間は大きな脳を手に入れた代わりに、体はほかの動物に比べて貧弱です。
物理的にも弱いし、病気にも弱いです。
それを知能で補っているわけです。
また大きな脳を手に入れて直立したために、腰痛も手に入れました。
おじさんは椎間板ヘルニアによる神経痛で1カ月以上身動きできなくなりました。
今は生活は問題ないけど、鈍痛はなくなりません。

さっちゃん
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