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「nach」「in」「zu」「方向」「場所」
nach, inとzu
それぞれ「方向」を表しますが使い分けがあります。
nach + Φ (中性、無冠詞の) 地名、方角
地名
nach ΦDeutschland fahren
ドイツへ行く
(in ΦDeutschland
ドイツで)
DeutschlandはΦ (中性名詞) ですが、dasをつけません。
方角
von Norden nach Süden
北から南へ
in + 冠詞つき地名
in □die Schweiz fahren
スイスへ (に) 行く
in △der Schweiz
スイスで
ちなみに「方向」「移動」をともなうとき、「そこへ向かう動きがある」とき、冠詞は□ (4格) です。
△ (3格) の場合は「移動」をともなわず、「すでにそこにいる」ときにつかいます。
ドイツ語 ~ 3格=動かない。4格→動く。
zuとのちがい
zu は「方向」「移動」を意識するのに対して、
in は移動後、「そこに」「その中にいる」ことを意識します。
Er ist ins Theater gegangen.
彼は映画館にはいった。
Er sitzt jetzt im Theater.
彼はまだ映画館の中に座っている。
(ins=in+□das 動きがある, im=in+△dem 動きがない)
zu + 人、場所
英語のtoに相当します。
人
zu △jm. kommen
jm. (jemandem だれか人) のところへ来る
△zum Arzt gehen
医者に行く
(zum=zu+dem)
場所
△zur Stadt fahren
(乗り物で) 町へ出かける
(zur=zu+der)
von Kopf zu Fuß
頭から爪先まで
「地名、方角」でなく、「特定の目標点、場所 (ゴール) に」向かう場合はnachでなく、zuを使う。
Haus[e] おうち🏡
Gehst du nach Hause oder bist du zu Hause?
Are you going (to) home or are you at home?
あなたは家に行く (帰る) の?それとも家にいるの?
日本語訳では両方とも「に」ですが、
前者は「方向 (目的地) 」、後者は「場所 (現在地) 」を表しています。
これもこちらにくわしく書いてあります↓
zuは英語のto (~へ) に相当しますが、このように英語のat (~に) の意味でもつかわれます。
Hauseは古い△の形です。
むかしのドイツ語では男性・中性名詞の3格の語尾に-eをつけました。
日常的に使う言い回しや、慣用句にはその名残があることがあります。
日本語でも「止むを得ず (やむをえず) 」のような慣用句は、古語の活用や言いまわしがそのまま残ってつかわれていますね。
現代国語でいうなら「止めることができなくて→しかたなしに」とでもいうんでしょうか。
サッカーでもzu Hauseで「ホームで」という意味でつかわれます。
(参考:小学館 独和大辞典 第2版
三修社 アクセス独和辞典 第3版)