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「ア行」「ヤ行」「ワ行」
はじめに
日本語の五十音表を見ると、ヤ行はヤユヨ、ワ行はワとヲしかなくてあとは空欄になっています。
どうしてこうなったんでしょうか。
音の同化と変化
ア行・ヤ行・ワ行の同化とハ行転呼がくんずほぐれつしながら進行します😄
時系列で書きます。
年代はあくまでだいたいです。
過去のことはだれにもわからないし、日本も広いので今でも方言があります。
どこまで、何%まで広がった時点でそれは「日本語が変わった」と言えるのか線引はできないからです。
( ) 内に時代を書きましたがこれもだいたいです。
世界中どこでも根底に流れるのは人類怠け者の法則です🦥
このような音韻変化は日本だけでなく世界中で起きています。
またその変化の仕方もあるていど共通点があります。
それは人種も時代もちがえど人間の脳と舌や口の作りはおなじだからです。
8世紀以前
ハ行
日本にハ行はなくパ行でした。
古代人はパピプペポと発音していたのです。
「春の花」だったら「ぱるのぱな」というように。
テープレコーダーもDVDも残っていないのでほんとにそう発音していたのを聞いた人はだれもいませんが。
ドラえもんがいたら過去に連れて行ってもらって現地人 (当時人?) の人の会話を聞いてみたいです。
ヤ行イ・ワ行ウ
ヤ行イは動詞の活用には出てくるけど[ji]と発音していたのか、[i]と発音していたのかわかりません。
ワ行ウもおなじく動詞の活用には出てくるけど[wu]と発音していたのか、[β̞ɯ]と発音していたのか、はたまた[ɯ]だったのかはわかっていません。
ヤ行イとワ行ウはそれぞれひらがな・カタカナはもちろん万葉仮名さえないので、万葉仮名をつかいはじめたころはすでにそれぞれア行イとア行ウと同化していたと考えられます。
8世紀 (奈良時代)
[p]→[ɸ]
パ行がファ行に変わります。
パピプペポはファフィフフェフォになります。
p:無声両唇破裂音
ɸ:無声両唇摩擦音
唇をしっかり閉じて破裂させていたのが口元が緩くなりすきま風の音になります。
現代でも「フ[ɸɯ]」だけは残っています。
これが1つの痕跡として古代人がそう発音していたのではないかという根拠になっています。
よくぞ「フ」だけ残ってくれた。
万葉仮名
万葉仮名がつかわれはじめて、ア行エとヤ行エは厳密に区別されていました。
10世紀 (平安時代中頃)
ヤ行エ→ア行エ
ただし音は/je/
これが江戸をYedo、円をYenと書くゆえんですね。
ひらがなとカタカナの成立
ひらがなとカタカナはもちろん漢字を崩したものなので万葉仮名に遅れてできましたが、国語分科会のようなものが「今日からひらがなとカタカナをつかいます」と宣言して整ったものを世に出したわけではないので、それらしきものが出てきたというのがこの頃です。
ひらがなとカタカナが完成する前にヤ行エはア行エと同化したのでこれに該当するひらがなとカタカナはありません。
11世紀 (平安時代後半)
[ɸ]→[β̞]
ファ行がワ行に変わります。
これでもともとあったワ行と合流して混乱が起きます。
当たりまえです。
β̞:有声両唇接近音
唇の力がさらに緩んで (怠けて?) すきま風までも行かない現在の「ワ」の音になります。
同時期に
ア行オ・ワ行オ (ヲ) →/wo/
/wo/は音素であって英語のwoの発音ではありません。
あくまで日本語のワ行のオ段の音という意味です。
だからじっさいには円唇・後舌ではなく、非円唇・中舌の[β̞]です。
ここで注意すべきことは、ワ行がア行に合流したのではなく、逆にア行のオが「ヲ[β̞o]」の発音になったということです。
13世紀 (鎌倉時代)
ワ行イ (ゐ / ヰ) →ア行イ
ワ行エ (ゑ / ヱ) →ア行エ
ただしここでまた注意すべきことは、ア行エは現代の/e/ではなくヤ行の/je/であることです。
18世紀 (江戸時代)
ア行エ・ヤ行エ・ワ行エ→/e/
ア行オ・ワ行オ (ヲ) →/o/
これでやっと現代のアイウエオの音になりました。
めでたしめでたし👏


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