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「4日」「よっか」「8日」「ようか」
外国人の生徒が言いました。
「『よっか』と『ようか』は混乱します」
「混乱」という言葉が好きです。
日本では「混乱」というと大事 (おおごと) なので、
まぎらわしい、ややこしい、AとBをまちがえる、をつかうよう指導しています😅
日本語の数の名前
現代日本人に12345678910を読ませたらまちがいなく
「いち、にー、さん、しー、ごー、ろく、しち、はち、きゅう、じゅう」
と読みます。
foot フット
「にー」「しー」と伸ばすのは、日本語は「拍」の言葉なので、2拍ごとにリズムを取るのが好きです。
2本足だから、イチ、ニッ、イチ、ニッとリズムを取るのが自然です。
ちなみに「イチ」の「チ」は無声化するので、じっさいは
イッ、ニッ、イッ、ニッのように聞こえます。
だから、「いち、に、さん…」だと、ずっこけてしまうんですね。
「にー」と2拍にすることで一定のリズムが保てます。
カウントダウンでは4と7が変わる!
10987654321を読ませると、
「じゅう、きゅう、はち、なな、ろく、ごー、よん、さん、にー、いち」
になります。
4と7だけ読みかたが変わりました!
これについてはこちら↓
1234 いち、に、さん、し→4321 よん、さん、に、いち ~ おかしくない?
もともとの日本語
だれしも日本語だと思っている「いち、にー、さん、しー…」
じつはこれ中国語です。
もちろん現代中国語ではなく、漢字とともにはいってきた中国の「ある時代の」「ある地方の」発音を、日本人の「ある人」が聞き取って日本語風に発音した音です。
もともとの日本語ではこう言います。
「ひ (と) 、ふ (た) 、み、よ、いつ、む、なな、や、ここの、とお」
「つ」をつければ
「ひとつ」「ふたつ」「みっつ」「よっつ」
「 (た) り」をつければ
「ひとり」「ふたり」「みたり」「よったり」
日の数えかた
日
ひ
🌞お日さまのこと→1日 (いちにち) 。昼間。
か
日付につける
暦
「日読み (かよみ) 」から「こよみ」
2月はなんで28日しかないの? 閏年はなんで2月にふやすの?~暦
ジツ・ニチ
漢音と呉音。
中国語です。
1日
ついたち
なんじゃそりゃ?
これは「月立ち (つきたち) 」から音が変わったものです。
朔旦立春 (さくたんりっしゅん) ~ 立春=新月は19年周期
2日~7日
ここは微妙な音の変化なので気にする人もいないでしょう。
「むいか」は「むゆか」ともいいますが、これも母音が変わっただけです。
いっぽう「なのか」はもともとは「なぬか」といいます。
8日
さあ問題の「ようか」です。
これはもともとは「や・か」でした。
これが「やう・か」になり、
旧仮名遣い (歴史的仮名遣い) では「あう」は「おー」と発音するので、
「よーか」となり、現代仮名遣いで「ようか」と書くようになりました。
西日本ではいまでも「会った」を「会うた (あうた) 」で「おーた」と発音します。
英語のautoが「アウト」でなく「オート」なのも許せる気がします。
8=4×2
じつは
「8」を「や (ya) 」と読むのは
「4」の「よ (yo) 」の母音を変えてつくった言葉だからです!
「よっか」と「ようか」が似ているのもむべなるかな。
参考:
デジタル大辞泉 小学館
新明解古語辞典 三省堂
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